視聴者の胸に深く刻まれるドラマ主題歌!今クールも“計算尽くされた”名曲ぞろい

2021/05/15 19:00 配信

ドラマ 音楽 コラム

5月7日に解禁された米津玄師 最新アーティストビジュアル撮影=奥山由之

ドラマだけのスペシャルコラボやアーティストの新しい試みにも注目

他にはないコラボや企画が実現するのもドラマ主題歌のいいところ。坂元裕二脚本による「大豆田とわ子と三人の元夫」(毎週火曜夜9:00、フジテレビ系)では、主題歌をSTUTS & 松たか子 with 3exesというスペシャルユニットが務めている。トラックメーカーのSTUTSがトラック制作と楽曲プロデュースを、ドラマの主人公・大豆田とわ子を演じる松たか子がメインボーカルを担当。3exesとは、劇中でとわ子の元夫を演じる岡田将生角田晃広(東京03)、松田龍平のことで、コーラスとして参加している。配信中の「Presence I(feat. KID FRESINO)」では、ラップパートのリリックとディレクションを手掛けたラッパーのKID FRESINOがフィーチャリングとして参加しただけでなく、STUTSとともに第1話のドラマ本編およびエンディング映像にも登場したことも話題となった。
さらにこのドラマのユニークなところは、毎話エンディングで流れる主題歌のフィーチャリング相手が変わること。第2話ではBIMと3番目の元夫・中村慎森役の岡田、第3話ではゆるふわギャングのNENEと2番目の元夫・佐藤鹿太郎役の角田、第4話ではDaichi Yamamotoと1番目の元夫・田中八作役の松田、第5話ではT-Pablow(BAD HOP)が参加。楽曲タイトルも「Presence II」「Presence III」「Presence IV」「Presence V」……と変更しており、今後どんなラッパーが登場するのかという点も気になるところだ。

また、竹野内豊主演のドラマ「イチケイのカラス」(毎週月曜夜9:00、フジテレビ系)で主題歌を担当しているのは、和楽器バンド。彼らが担当するという事前の告知は一切なく、初回放送のエンディング映像でもアーティスト名はWGBとクレジットされたのみ。ドラマのために書き下ろした「Starlight」(6月9日[水]リリース)も、これまで和楽器をメインとしたサウンドや詩吟調の歌い回しをほぼ封印し、新たな曲の世界観を披露し、のちにWGBが和楽器バンドだと知ったファンを驚かせた。
バンド名を伏せ、サウンドにも変化を持たせた理由を、「和楽器バンドを知らない方々に、先入観なく、純粋に曲を聴いてほしいから」と語ったメンバー。ドラマ主題歌を手掛けることは、自分たちの名前や楽曲を広めるチャンスでもあるはず。けれども、和楽器バンドは敢えてそれをせず、逆に自分たちの音楽性の幅を広げるきっかけとした。こうした手法は、ドラマ主題歌とアーティストの新しい関係性の一つと言えるかもしれない。