父の笛(家族)、気象予報士の知識(仕事)、医者の苦言(友情?)…モネは3つの力に助けられて前進していく。最強である。
朝ドラではたいてい、主人公に影響をもたらす男性は前半と後半、ないしは前半、中盤、後半と順々に出てくることが多い。
例えば、朝ドラ絶対王者にしてバイブル「おしん」は前半、おしんの生き方に影響を与える脱走兵(中村雅俊)、中盤、夫(並樹史朗)、後半、初恋の相手(渡瀬恒彦)と触れ合っていく。
「なつぞら」だと前半は幼馴染(吉沢亮)、後半は夫(中川大志)、「半分、青い。」は前半・幼馴染(佐藤健)、中盤・夫(間宮祥太朗)で後半は再び幼馴染(佐藤健)と、主人公とナイト的な人物との関係がドラマを盛り上げる。今回は、徐々に出すのではなく、前半からナイト総動員であるところにドラマの気合を感じるのである。
3人のナイトの個性が三者三様なのもいい。
ひたすら娘に愛情を注ぐお父さん。何がなんでも守ってくれそうな愛情ダダ漏れの父親役を内野聖陽が全開で演じている。ともすれば暑苦しくなりそうなところ、ちょっとユーモラスなところもあり風が抜けるようにキャラを作っているところがさすが。
朝岡は、データで天気を把握して生活をよりよくしようと学び働いている人物で、揺るがない安心感がある。
かなりクールに見えるが、石ノ森章太郎のファンで夢中でグッズを買ってしまうようなところもあってとりつくしまがないわけではない。切れ味鋭いクールさにちょっと甘さをのぞかせる西島秀俊の特性が生きた役である。
最もとっつきにくそうな菅波も、坂口健太郎が柔らかさを残して、きつくなり過ぎないようにしていることを感じるし、この手の気難し屋キャラは意外と好かれるものなのである。
例えば「梅ちゃん先生」の松岡先生(高橋光臣)や「ごちそうさん」の悠太郎(東出昌大)など勉強の虫でヒロインにずけずけ言うツンデレキャラは人気の属性。
悠太郎は早々にヒロインと結婚したが、松岡先生は、ヒロインの相手役(松坂桃李)がいるにもかかわらずぎりぎりまでヒロインと結ばれてほしいと熱望されるまでにキャラも育った。
菅波はこのツンデレタイプとして今後、活躍することを期待している。
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