菅波はここまで、不愛想で百音に冷めた視線を向ける人物として描かれてきた。
第10回では、小学生向けの林業の体験学習の最中に山の中で雷雨に遭った百音を助けたものの、すべて終わった後には「ちゃんとプロになってください」「正式採用になったんですよね?森林組合。それでまだ何か見つけたいとか、ここの人たちに失礼です」と厳しくダメ出し。気仙沼に帰ろうと説得しに来た父・耕治(内野聖陽)に「夢中になれるものを見つけたい」と訴えた場面も見ていて「甘えてますよ」と辛らつな言葉を投げかけた。
そんな菅波だから、子ども向けに書かれた絵本の内容すら呑み込めずにいる百音に手を差し伸べる姿には驚かされた。その表情は穏やかで、氷を入れたコップに水滴がついていく様子から雨の原理を説明する場面では、「あぁ…」と納得した様子の百音を見て笑顔も見せた。それは、まったくかみ合わなかった2人が同じものを見てささやかな感動を共有した、特別な瞬間だった。
百音にとって、気象予報士試験の勉強は長く厳しい道のりとなりそうだ。菅波がその案内役となってくれるのであれば、これほど心強いことはない。一方菅波も「次回は、雲ができる仕組みについて考えましょう」と“予告”するなど、どこか楽しそうですらある。少なくとも、今回のレクチャーが1回きりの気まぐれで終わるわけではなさそうだ。
“勉強”という意外な要素を通して突如、距離を縮めた2人。視聴者からも「菅波先生、バカにせずきちんと教えてあげてなんだか印象変わった」「誠実な人柄、すごく好感が持てる」「こんなにわかりやすく教えてくれる先生が現れるなんて!」の声が上がった。
2人の関係が今後どう発展していくのかは未知数だがまずは、夢の入り口に立った百音とその案内役として、新たな関係を結んだ2人に注目したい。(文=ザテレビジョンドラマ部)
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