――序盤は登場が少ないですが、今回描かれる数正像はどのように捉えましたか?
僕個人の見方では、数正は元康のことがすごく好きですね。実際に阿部サダヲさん演じる元康が本当に愛らしいキャラクターなので、演じていても、元康のことがどんどん好きになっていくんです。瀬名は、大好きで尊敬している元康の妻なので、自然に身を挺(てい)してして守ろうという気になります。
――逆に、数正のどんなところが、元康に愛されたと思いますか?
単純なことですが、口が堅いのだと思います。家のトップである元康が弱音を吐ける相手で、その上で聞いたことを黙って全部飲み込める。
家臣にもいろんな思いがあって、忠誠心はあっても、自分が殺されることや、家が断絶になることは当然避けたいはずです。でも数正の場合は、元康を個人的にも好きで、自分の不利益になろうとも、「私はあなたを慕っているから、絶対にあなたがマイナスになることはしない」という思いがあったはず。元康もそれを感じ取っていたのだと思います。
――第10回のラストから第11回冒頭にかけての登場シーンについて、撮影エピソードを聞かせてください。
撮影初日に撮ったのですが、山場の多いシーンでした。馬に乗って駆け付けてくるシーンなので、まずは馬に乗る、そして城下町を一騎で駆ける、柴咲さんの脇を馬ですり抜ける、戻ってせりふを言う…。僕、乗馬は初めてだったんです。でも、撮影前に2、3カ月練習した結果、すべて自分で演じることができました。うれしかったですね。
ただ、笠をかぶっているので、もしかしたら吹き替えのように見えるかもしれません(笑)。
――撮影の感想はいかがでしたか?
初体験が多かったですが、馬上から名乗りを上げるのは、すごく気持ち良かったです。当時の武士たちも、戦では名乗りを上げることで自分のテンションを高めて一騎打ちに行ったのでしょうが、僕も「この経験、今後何回出来るんだろう」と思ったら、アドレナリンがものすごく出て…。若干、目が血走っていたと思います(笑)。
――瀬名とのシーンでしたが、菜々緒さんとの共演の印象はいかがでしたか?
僕は、すごい寂しがり屋で共演者の方とお話をしたいタイプなのですが、一方で人見知りがひどくて。まだあまり話せていないんです(笑)。
でも、菜々緒さんはおきれいです。それは外見やスタイルだけのことではなくて、醸し出す所作や言葉の運び方が本当にきれいだなと思うんです。その瀬名と、本当に愛らしい阿部さんの元康がそろうと、まさに似合いのおしどり夫婦。僕は数正の目線で見ているので、やはり、この二人は本当に守りたいなと思います。
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