「直虎」石川数正役で話題のイケメン・中村織央 転機となった作品は!?

2017/03/19 20:45 配信

ドラマ インタビュー

放送中の大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK総合ほか)。3月19日放送直後から話題の石川数正役・中村織央(なかむら・おずの)を直撃した。

「―直虎」に石川数正役で出演する中村織央の素顔に迫る!


処刑直前の瀬名を救い出した影の“助演男優賞”


この回では、今川家により、松平元康(阿部サダヲ)の妻・瀬名(菜々緒)の処刑が決まる中、命乞いを続ける次郎法師(柴咲コウ)の前に、数正が馬に乗って颯爽(さっそう)と登場。今川との人質交換を申し出た。結局、これをきっかけに井伊家は窮地に追い込まれるのだが、ストーリーはもちろんのこと、突如現れた中村にも注目が集まっている。

中村は、2008年デビューの30歳。2013年~2014年に放送された連続テレビ小説「ごちそうさん」(NHK総合ほか)には、杏演じる主人公・め以子に縁談を断わられる男性として出演。スピンオフでは、長年の苦労から風貌が変化したという設定で、キャストが千原せいじに変わっていたのも印象深い。

また、ヒップホップファンであれば、「フリースタイルダンジョン」(テレビ朝日)で活躍するラッパー・R-指定が所属するユニットCreepy Nutsのミュージックビデオで、“イケメンすぎる”R-指定を演じたことを知っているかもしれない。

3月19日放送では処刑直前の瀬名を救うために駆け付けた(C)NHK


待望の初出演…大河の現場は発見の連続!


そんな中村に大河初出演の感想を聞くと、「ついに出られるのか、というのが一番大きかったです。身長が高いこともあって、『時代劇向きじゃないよね』と周りにも言われてきたのですが、時代劇と戦時中の話は、僕の中でずっとやりたかったことなんです。だから、お話をいただいたときは、ものすごくうれしかったです」と喜びを語ってくれた。

時代劇といえば、初体験の俳優が苦労するのが所作。中村も、「歩き方一つとっても現代とは違う」と驚きがあったという。しかし、「何かない限りは動いてはいけない、目上の人と話しているときに目を見てはいけないとか、多くの決まりごとがあるのですが、それを守って形ができてくると、本当にかっこいい。苦労するから、かっこいいんです」と目を輝かせていた。

現場で目を輝かせたのは所作だけではない。「殿である阿部サダヲさんとゆっくり話せたときに、『スタッフジャンパーがかっこいい』という話になったんです。“直虎”にちなんで、虎の刺しゅうの入ったスタジャンなんですが、二人して『徳川バージョンも欲しい』って言い合っていました(笑)」と仲の良さそうなエピソードを明かす。

松平家の親交も深まっている様子がうかがえるが、本人によると「僕は寂しがり屋で、現場では共演者さんとお話していたいタイプなのですが、一方で人見知りでもあって。だから、まだそこまでは話せていません(笑)」。

だが、数正としての阿部=元康への忠誠は篤い。「阿部さんが演じる本当に愛らしい元康と、菜々緒さん演じる瀬名がそろうと、とても似合いのおしどり夫婦。数正は何も言わずにじっと見ているだけですが、自然とこの二人を守りたいと思います」と熱を込めていた。

【写真を見る】作中での和装姿も凛々しい!(C)NHK


映画出演で犯した“過ち”が転機に!


そんな中村だが、スカウトをきっかけに芸能界入りするまでは、芸能の仕事にあまり関心がなかったと言い、それがきっかけで“やらかした”こともあったという。

「最初は“バミリ”も知らなかったんです。初めて出させていただいた作品で、指示されたところに立っていたとき、下にテープが貼ってあるのに気付いて。『なんだろう?』と思った僕は、はがして『これ、どうしますか?』って聞いたんですね。そうしたら、『はがすんじゃねーよ!!』って…怒鳴られました(笑)」。

右も左も分からない芸能界。しかし、転機になった作品があった。

「『ソフトボーイ』(2010年)という映画に出たときのことです。まだまだキャリアも浅い僕を使ってくださって、長期でロケに行ったんです。でも、僕は役の立ち位置も無視して、自分のやりたいようにやっちゃって…」。映画は、男子ソフトボールに青春を懸ける高校生の物語だった。

「共演者がほぼ同世代なので、仲のいいメンバーもいたのですが、あるときホテルの前の居酒屋に呼ばれました。『飲めるのかな』程度に思って行った僕は、その中でも年上だったのですが、みんなが本当に言葉を選んで、『今のままじゃだめだよ』と教えてくれたんです。号泣しました。『みんなに時間を取らせて、俺は何をやっていたんだろう…』と思って」と振り返る。

「自分がちゃんとしていないと、みんなに迷惑が掛かる」と実感したところから、意識が変わったという。朝ドラと大河の両方に出演を果たした今も、浮き足立つことはない。

今後の目標を聞くと、「まずは、いただいた仕事を何でもできないといけないと思います。通行人Aでも総理大臣でも、そこで100%を出さないと意味がない。当たり前のことですが、それを当たり前にできないと、そこから派生するものはないと思うんです。だから、まずは当たり前を100%で出来る役者としてやっていけたら…。いや、『やっていかねば』という感じですね」と最後まで真摯(しんし)に語ってくれた。