第2回、栄一が13歳になると、「かわいい」と話題を集めた子役・小林優仁から吉沢にキャストもバトンタッチ。そこから第12回までは、百姓から金も労働力もむしり取っていく代官と藩、ひいては幕藩体制への反発心が栄一の中で育っていく過程が描かれた。
同じ人間なのに百姓はしいたげられ、武士は威張り散らす身分制度の不公平に納得できない栄一。従兄・尾高惇忠(田辺誠一)に水戸学を学び、徳川幕府への怒りを募らせていった。
この時期の栄一に影響を与えたのは、先に江戸へ出て世直しを企てていた尾高長七郎(満島真之介)や、生涯の相棒となる渋沢喜作(高良健吾)ら。栄一たちの横浜外国人居留地焼き討ち計画を長七郎が涙ながらに止めるシーンは、本番撮影後にスタッフから拍手が上がるほどの熱気に満ちていたという(第12回)。視聴者からも「涙が止まらなかった!」「演技に圧倒された」の声が上がる、熱い友情の回となった。
倒幕にやっきになっていた栄一の人生を大きく転換させたのが、一橋家家臣・平岡円四郎(堤真一)、そしてのちに徳川最後の将軍となる徳川慶喜(草なぎ剛)との出会いだ。
快活で小さなことにこだわらない平岡は、栄一の真っすぐな気質と国を憂える視野の広さに目をつけ、喜作と共に一橋家家臣に取り立て、栄一は“武士・渋沢篤太夫”となった(第14回)。
「おかしれぇ」が口ぐせの平岡は視聴者にも愛された。第16回で円四郎が暗殺されると、視聴者からもショックの声が続出。「来週から平岡様が出ないなんて信じられない」と退場を惜しむ声が上がり、その日は深夜までに「#青天を衝け」を含むツイートが13万を超え、世界トレンド1位に。国内トレンドでは「平岡さま」もトップ10に浮上するなど、大きな反響となった。
円四郎亡き後、慶喜と栄一あらため篤太夫のかかわりも増えていった。一橋家の財政改革について力説する篤太夫に慶喜が「おぬしは円四郎風に言えばまことにおかしろい。おぬしを見て、少しばかり気鬱がなおった」と語る場面(第19回)など、2人の距離が縮まっていく様はコミカルながら不思議とじんわり胸を打つ。政局に疲弊していた慶喜が唯一本音を見せるのが、篤太夫と会話する場面だからだろうか。この頃政権を担っていたのは第14代将軍・家茂(磯村勇斗)、慶喜はそのあとを継いで15代将軍となる。
また、篤太夫は幕末の偉人たちともかかわりを結んだ。新選組副長・土方歳三(町田啓太)とは同じ農民出身とわかって意気投合(第20回)。2人はそこで“日の本のために生きる”という思いを分かち合った。
麗しい2人の出会いに、視聴者からは「2人のやり取りにシビれた!」「土方さんの『生きる、か…』がカッコよすぎた」「吉沢亮に町田啓太…こんなイケメン大河見たことない!」の声も上がるなど、大きな盛り上がりを見せた。
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