妻夫木聡、終戦ドラマで家族の大切さを痛感「家族ができて自分1人だけではなくなってきた感じはします」<Interview>

主人公・鳥居太一を演じた妻夫木聡 (C)NHK/スタイリスト=片貝俊、ヘアメーク=勇見勝彦(THYMON Inc.)

太平洋戦争末期に行われた医師による米兵捕虜の生体解剖の実話を基にし、人間の狂気と正気を描く終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」(8月13日[金]夜10:00-11:15、NHK総合)。捕虜の実験手術に関わり、終戦後に死刑判決を受ける助教授・鳥居太一を妻夫木聡が演じる。


「撮影の間、罪とは何だろう? 生きることとは何なのか?を考えていました。太一は状況も分からず手術に参加し、おかしいと気づいてからは教授に手術の中止を求めて、3回目以降は参加していない。太一が行ったことはもちろん罪ですが、そのときの彼自身には罪の意識がなかったんですよ。だけど彼はほかの死刑囚と出会い、罪の意識がなかったことも罪だと気づいていく…。答えがないんですよ。

実際に太一のモデルとなった方がいるのですが、その方もずっと葛藤していたようです。芝居をする上で役と自分自身を重ね合わせることはほとんどないのですが、今回は重ね合わせて役について考えました。葛藤が多い現場でした」と話す妻夫木。

終戦後に首謀者とされた太一は死刑囚に。そんな夫の判決に納得せずに、妻・房子(蒼井優)は奔走する。

「蒼井さんが房子でよかったと思いました。絶対に諦めずに真っ直ぐに突き進んでいく房子にピッタリで。あと何度か共演しているので、細かいところを話さなくても通じ合える部分がお互いにあるのはすごく安心できました。一緒に戦えるなって。

張り詰めた空気のシーンが多かった中で、唯一ホッとしたのは房子と子供たちのシーンでした。本当に太一のような気持ちになって…。ちなみにシーンにはなかったのですが、子供たちを抱きしめさせてもらったんです。そのときは本当に幸せでしたね。子供たちが『お父ちゃん』と呼んでくれるだけで泣きそうになりました」