人間のアイデンティティーとは何かを問い詰めるこの作品との出会いは、自分の人生を見つめ直す良いきっかけとなりました。
人生に正解はない。かといって間違いもない。どんな答えであってもいいと思う。だから恐れずに向き合って欲しい。観てくださった方にとって、この作品が人生の道標のような存在になるのであれば僕は幸せです。
私自身がこの作品がどんな映画なのか、なかなか想像ができません。ミステリーと一括りにしてしまうのはもったいないなと思いつつラブストーリーなのかサスペンスなのか…と問われるとこれまたわかりません。
でも現場では、ジャンルにとらわれず人間模様をやさしく繊細に、かつ淡々とシンプルに描いていたように思います。久しぶりの映画、石川監督のもと、たくさん笑ってたくさん泣いて、苦しみながらも楽しく撮影させていただき、あ~わたしは現場が好きだ! と再確認しました。この作品だったからそう感じられたのだと思います。公開が楽しみです。
ある男の静寂な心の中にうごめく「おぞましいナニカ」をずっと感じながら演じてました。人の皮を被った怪物が身体の中からずっと自分だけをみている。そんな支配されて壊れきった空っぽの心を里枝が少しずつ溶かしていく。
里枝役のサクラさんはやはりとても刺激的で芝居の面白さ、やりがい、その答えをどこまでも追求していきたい衝動に駆られました。ある男が観ていただく方々にどんな感情を残すのか今から楽しみでなりません。