4月2日(日)夜9時から放送される森村誠一原作の「ドラマスペシャル 人間の証明」(テレビ朝日系)。激動の戦後を地位、名声を守るために母性を捨てた美容家・八杉恭子を演じる鈴木京香に藤原竜也ら共演者とのエピソードや、作品の魅力などを語ってもらった。
同ドラマは、昭和49年の東京にあるホテルで、みすぼらしい一人の黒人青年が亡くなった事件から、美容家・恭子(鈴木)が麹町東署の棟居弘一良(藤原竜也)に追い詰められていく物語。
――撮影を終えて、今の心境を教えてください。
大変なこともありましたが、現場はスムーズに撮影が進みまして、「こんなに仕上がりが楽しみな作品はないね!」と藤原さんとも話していました。
――13年ぶりの藤原さんとの共演はいかがでしたか?
大河ドラマ「新選組!」(2004年NHK総合ほか)のメンバーはとても仲が良くて、最近も藤原さんの舞台を拝見したこともあり、そんなに久しぶりという感じはなかったですね。藤原さんは全力でお芝居をする方なので、今回もせりふを通して役を伝える集中力はさすがだな、と思いました。彼の気持ちも伝わりますし、役としての私の気持ちも理解してくれているし、お互いにしっかりと相手を見ながら、やりとりができた実感があります。
――恭子を演じるに当たり、プレッシャーはありましたか?
恭子という女性の強さ、意志の強さ、それを感じると役柄の大きさで難しそうだなと思ったことはありますが、役を頂いてからうれしいという感情しかないんですよね。八杉恭子という役ができるという幸運をひしひしと感じました。
――恭子という女性をどう捉えながら演じていましたか?
戦後、美容業界で世界に打って出ようと考えた恭子は、とても才覚のある女性だなと。難しい事業を戦後からこつこつと自分の力でやり遂げようという女性なので、知性をしっかり打ち出していかないと、と。それがないと恭子がただ愚かな女性になってしまいます。脚本を読んで決して嫌いにはなれない女性だなと感じましたので、普段の自分より落ち着いて賢い人に見えるように心掛けました。
――夫役の中原丈雄さん、息子役の堀井新太さんとの共演はどうでしたか?
中原さんとは何度もご一緒していて、大河ドラマ「真田丸」(2016年NHK総合ほか)でも一緒でした。堀井君は舞台に出演した際に息子役で、私の家族の一員になりたがる役だったので「やっと家族になれたね!」と再会したときに喜びを分かち合いました!
堀井君にはこのドラマのすごさを分かってほしくて、「人間の証明はね…」とか「(映画が公開された当時は)宣伝文句をまねするくらいヒットしたのよ!」と話して聞かせました(笑)。きっと、身に染みて分かっていると思います。
別の現場の違う役でご一緒した方が、違う役で魅力を発揮しているのを見ると、ずっと一緒にいられない寂しさはありますが、たまに会える喜びや、役者としての素晴らしさを認識し合うことができますね。
――演じる前に原作小説を読んだり、映画を見たりしましたか?
映画はビデオかDVDで大人になってからあらためて見直しているんです。今回はブルーレイで見ました(笑)。あらためて見ると忘れていることもあるんですよね。
――恭子が美容家だということで、鈴木さん自身の美容法はありますか?
私は運動をして汗をかくことや、長風呂することとか、家でできる美容法が多いです。恭子が手掛けているようなエステサロンにも行ってみたいと思いますね。
――最後に、ドラマの魅力を教えてください!
肉親に対する思いでしょうか。自分の親だからこそ、子だからこそ、恐ろしかったり、憎しみを抱いたりする。突き詰めていくと、自分の分身のように思うものの愛情の掛け方は、ドラマがあるし、過去でも現代でも変わらない大きなテーマ。自分の血を分けた人との関わりをうんと深く描いていて、人間としての面白さや、悲しさを描いているストーリーだとしみじみと感じられたので、そこが魅力だなと思います。
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