12月4日(土)、11日(土)と2週続けて、中村勘九郎が初代中村仲蔵を演じる「忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段」(夜9:00-10:30、NHK BSプレミアム)が放送される。
初代中村仲蔵は江戸時代の伝説の歌舞伎俳優で、今作は裸一貫から名題まで這い上がる、実話をベースとした下克上物語。中村勘九郎のほかに、仲蔵の妻・お岸役で上白石萌音、四代目市川團十郎役で市村正親、二代目中村傳九郎役で高嶋政宏、初代市川染五郎役で中村七之助、ほかにも吉田鋼太郎、藤原竜也、段田安則ら豪華キャストが出演する。
勘九郎がドラマに出演するのは、2019年の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(NHK総合ほか)以来。
今作の魅力は「仲蔵さんという人物が稲荷町(大部屋役者)から名題へどうのし上がっていったかのサクセスストーリーが描かれているわけですが、その疾走感、ワクワク感だと思います」という勘九郎が、父・勘三郎も敬愛していたという中村仲蔵を演じたことへの想いを熱く語った。
そこでインタビューも前後編のストーリーに合わせて、前後編でお届けする。
――今回演じられた中村仲蔵のイメージ、そして、撮影についてお聞かせください。
「中村仲蔵さんは下から這い上がっていった男で、今でも仲蔵さんがやった演出が残っているという素晴らしさは、歌舞伎俳優として偉人のような存在だと思います。撮影は毎日ワクワクしながら撮っていました。というのも、もしタイムマシンがあったら、絶対に行きたい場所が江戸時代の中村座など、“江戸三座”(中村座、市村座、森田座)があった頃。中村座の芝居小屋のセットが太秦のスタジオに建てられて、その中で毎日撮影できたというのは役者冥利に尽きるの一言だったと思います」
――偉人を演じるとなると、プレッシャーがあったのでは?
「歌舞伎俳優が歌舞伎俳優を演じるというのも難しいですし、(歌舞伎の)芝居を全部やるわけではなく、劇中劇もあるので、試行錯誤して撮りましたが、その当時の中村座に巻き起こっていたワクワク感のようなものを表現できたらなと思いましたので、プレッシャーよりも子供に戻ったような気持ちで撮影ができました。僕は太秦で初めて撮影させていただいたのですが、皆さんのプロ魂、職人魂を感じて、役者としてなんて幸せな場所なんだろうと思いました。こんなコロナの時期なのに、いい空間でお仕事をしているなと感じました」