<試写室>続くコロナ禍で挑み続ける中村屋の姿を追う「密着!中村屋ファミリー」

2021/12/23 06:30 配信

芸能一般 レビュー

【写真を見る】「連獅子」の稽古をする中村勘九郎と勘太郎(C)フジテレビ

2月、歌舞伎座で勘九郎と中村七之助の祖父にあたる十七世中村勘三郎の追善公演として、勘九郎と勘太郎による「連獅子」が上演された。

「歌舞伎といえば…」というイメージの強い「連獅子」は、歌舞伎ファン以外からも注目度の高い作品だ。この作品に父・勘九郎の記録を塗り替え、9歳で史上最年少の連獅子に挑む勘太郎。

リモート取材会ではとても落ち着いてコメントをしており、その大人っぽさに筆者は驚いた。

印象的だったのは、ポスター撮影終了後、衣装をせっかく着ているからと勘九郎から勘太郎への指導が始まった場面。これまでに稽古を続けていても、急に指導が始まったら普通は動揺するのでは…と思うが、勘太郎はしっかりと勘九郎の教えを聞いていた。普段の稽古の積み重ねがあるからこそ、急に「やってごらん」と言われても踊ることができるんだな…と平然と映し出される光景に関心してしまった。

また、勘太郎だけでなく、勘九郎の次男・長三郎も「奥州安達原 袖萩祭文」に出演。七之助が初役で袖萩を演じ、その子供・お君を長三郎が演じる。

前々回の同番組では本番中に寝てしまった姿が放送された長三郎。お君はせりふや動きも多く、舞台にも出ずっぱりで集中力が必要な役。稽古も本番も全てがうまくいくわけではないが、長三郎の成長ぶりについて語る七之助のうれしそうな顔がとても印象的だった。

勘太郎、長三郎ともに立派な役者であるものの、やはり子供。勘太郎の誕生日祝いの様子や長三郎が自分の演技を悔しがる姿など、愛らしい一面も多く見られた。