イベントでは撮影時のエピソードについての「質問カード」も用意されており、「撮影時、緊迫感が最高に高まったと感じた時」という質問には、松山、藤原、神木が揃って、廣木監督の「長回しでの1カット撮影」をあげた。
神木は「動きもあるシーンの中で、争ってみたり、絶望してみたり、色んな渦巻く感情を一連で撮影することになるので“大丈夫かな？ 自分はもつかな？”という不安に駆られます。だけど、反面“よし、やってやろう！”っていう気持ちもあるので、すごく気合いが入るんです。だから、自分の中で一番緊迫感が高まるのは“1カットで撮る”という情報が入ってきた時ですね」と、撮影前に緊張が走ったことを吐露。
一方、松山は、共演の「柄本明と余貴美子のシーン」を挙げ、「予想外に違う緊迫感があったというか、現場でも撮影が始まるとスタッフの空気が今までと全然違った」と、自身の演技とは違う場面をセレクト。「現場では空気が変わりましたが、お客さんが映画で観た時も同じ空気になるのか僕はすごく楽しみです」と役者ならでは期待感を語った。
最後に、藤原は「長回しの場合はリハーサルを何度も重ねるんですけど、本番になると“テストの時はこんな状況じゃなかったよな”という突然のことが起こることもあって。でも照明舞台も含め、廣木組の人たちは監督のカットがかかるまで誰一人として止めずに最後までいくというのも非常に印象的でした」と、今作ならではの撮影の様子を明かしていた。
取材・文＝原千夏