立川談春が明かす落語の神髄「脳みそを信じている」<初耳学>

2022/01/30 22:46 配信

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「日曜日の初耳学」に落語家・立川談春が出演した (C)MBS

“今、日本一チケットが取れない落語家”と言われる人気落語家・立川談春が1月30日放送の「日曜日の初耳学」(MBS/TBS系)に出演。林修のインタビューに答え、落語のこと、出演ドラマのエピソードや“手応えある生き方”のために大切にすべきことを語った。

「扇子一本で結界ができる」


“天才”と呼ばれる談春は、「落語を覚えるのが早い」という。「(書いて覚えるためのノートは)一冊もないんです、僕。全部聞いて覚えるんです。(覚えきれない時は、頭の中で)落語全集のページをバチンとスキャンして、しゃべりながら自分の頭の中でめくっているんです」と明かし、林先生を驚かせた。

「私の人生に影響を与えてくれた人物」として敬愛してやまないのが、師匠の立川談志。談志の本当の姿を書き記したい、という思いからつづった自伝的エッセー「赤めだか」は2015年にTBSでドラマ化され、二宮和也が談春を演じた。落語のシーンも大きな見せ場となる、難しい役どころ。談春は、その高座のシーンを見事に演じる二宮を見て仰天したというエピソードも語った。

「日曜日の初耳学」より (C)MBS


林先生が、「この本(赤めだか)にも書かれていたことなんですが、『扇子一本で結界ができる』って」と興味深い一節を紹介すると、談春は「そう、それは談志が言いましたね。(談志は)『扇子の置く位置』『お辞儀の仕方』から教えてくれるんです。『俺はきちんとお辞儀するのが好きだから、きちんとお辞儀しろ』と。そして『扇子はきちっと前へ置け。これは結界だ』。扇子から向こうは観客、こっちは芸人。入ったばかりの子にそういう教え方もすごいですよね、ありがたかったですけどね」と、修業時代に思いを馳せた。

談春いわく、落語は演じることとは違う、という。「(落語は)演じることよりメロディーの方が大事だから。メロディーでしゃべっていた方が人は音声を映像にしやすい。正座しているのもそうです。下半身がない方が人は映像を見やすいんです。頭の薄いおじいさんが落語で女性をやると色っぽく見えるのは、動きがないから。だから小道具もないんです。それは脳みそを信じています。何にもなかったら、何でも想像できます」と、落語の神髄を明かした。

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