'17年冬クールにかけて放送されたドラマを対象に開催した「第92回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」の全8部門の優秀賞が決定した。
実力派俳優のキャスティングと、人気脚本家の坂元裕二とのコラボで注目を集めた「カルテット」が作品賞、主演女優賞(松たか子)、助演女優賞(吉岡里帆)、脚本賞、監督賞、ドラマソング賞(「おとなの掟」Doughnuts Hole)の6冠に輝いた。WEBサイトザテレビジョンが発表している視聴熱(※)でも、平均視聴熱77,277pt(ポイント)と圧倒的な数値で独り勝ちとなった。松たか子演じる早乙女真紀の正体に疑惑が生じた第8話では、冬ドラマの最高視聴熱となる139,138ptを記録。最終話も107,646ptと高ポイントを記録した。
主演男優賞に選ばれたのはフジ系「嘘の戦争」で鬼気迫る演技を見せた草なぎ剛。家族を殺され復讐に燃える男・一ノ瀬浩一を演じ、氷のような目つきや憎しみでゆがんだ表情などで、多くの視聴者を魅了した。
草なぎは今回の受賞で主演男優賞は6回目になる。受賞について「ドラマを見てくれたって人が本当に多くて、いい作品だったなと今回実感しています。でも僕だけの力ではないのでね。こうやって、僕がこの作品の先頭に立って、たくさんの人に良かったと受け取ってもらえたんだなと思っています」とコメント。作品中、感情をコントロールする作業大変さを「正直、疲れますから。『憎んでる!』みたいな感じはエネルギーがいるので。まあ終わって家に帰ってきたら忘れちゃうんですけどね。僕は何度『地獄に落ちろ』と言ってるんだ?と思って(笑)」と笑顔で語った。
続編について「うーん、別にチャンスがあれば…。浩一はタイに帰っているし、脚本の後藤紀子さんや監督の三宅喜重さんに『もう1回考えてやろうよ』と言ったらできるのかなとは思いますけどね。みんな楽しそうに演じていたし、またみんなと集まれるかなとは思うけど。でも僕の中ではやりきった感がすごくある。これで浩一の復讐は済んだので。正直終わってホッとしたという気持ちの方が大きいですかね」と心境を明かした。
作品賞の受賞を受け、「カルテット」の佐野亜裕美プロデューサーは「自分が今後これ以上、面白い作品を作れるかな?って。こんなにみんなに深く愛してもらえる作品を作れるかなとちょっと心配になっていて、燃え尽きた気もしています(笑)。
この作品はこの後も何度も何度も見返す唯一のドラマになるんじゃないかなと。これからの制作人生にこの宝物を持って進んでいけば、何かに迷ったときにまた戻ってこれる、自分自身の灯台になる、そういう作品になったなと思っています」と語った。
一緒に仕事することを夢見ていたという脚本家・坂元裕二について「坂元さんはできあがった映像を見て、それを台本にフィードバックして下さるので、こんなときにこんな表情をされるのかとか、こういうお芝居をされるのか、などを見て、台本に活かされたという感じがしています。台本は役者さんやスタッフに対するラブレターかつ挑戦状みたいなところがあるので、台本がある意味で進化していくのを緊張感を持って受け止め、ワクワクしながら映像にしていきました」と感想を語った。
4人が歌うエンディングテーマができた経緯を「とにかく4人に歌ってほしいと思って。4人にせっかく歌ってもらうんだから、すごいかっこいいプロモーションビデオみたいなものを振り切って作ろうと思いました。結果的にすごく評判がよくて、ありがたかったです。
椎名(林檎)さんは、ちょうどこちらの1話の台本ができあがったころには曲作りの佳境だったそうで、最初の企画書だけしか読まれていないのに、こんなにも作品にマッチする詩を書いてくださいました。坂元さんという人と、椎名さんという人の、思いが重なった瞬間だったのかなと勝手に思っています」とコメント。
さらに、最終話のエンディングについて「劇中で4人が歌うというシーンはなかなかのウルトラCだと思ったんですが(笑)、このドラマでしかできないシーンだったと思います。素晴らしい主題歌ができて、作ってくださった椎名さんにも、歌ってくださった4人にも、いかしてくださった坂元さんにも、本当に感謝しきりで、ありがたく思っています」と思いを明かした。
その他の受賞結果・各部門の順位詳細などに関しては、5月10日発売の週刊ザテレビジョン20号にて掲載。また、松たか子、草なぎ剛ら受賞者のロングインタビューはWEBサイト「ザテレビジョン」に掲載中。
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