小泉孝太郎「雄輔に支えてもらう日がくるとは…」3歳からの幼なじみ・上地雄輔への感謝

2022/06/10 18:01 配信

ドラマ インタビュー

「連続ドラマW 松本清張 眼の壁」で主演を務める小泉孝太郎 撮影=永田正雄

松本清張のベストセラー小説を小泉孝太郎主演で連続ドラマ化した「連続ドラマW 松本清張 眼の壁」が、6月19日(日)夜10:00よりWOWOWにて放送・配信される。本作は、白昼の銀行を舞台に巧妙に仕組まれた手形詐欺と、その詐欺事件の裏に潜む隠された真実に迫る社会派ミステリーだ。今回、本作の主人公・萩崎竜雄を演じる小泉孝太郎にインタビューを敢行。詐欺事件の真相に迫る萩崎を演じる上での苦労や、プライベートで仲が良く、劇中でも親友役を演じる上地雄輔との共演、そして実力派揃いの共演者とのエピソードを聞いた。

松本清張作品での主演は「苦しくなりそうだなーと思いました(笑)」

【写真】撮影現場では上地雄輔に「コーチン」と呼ばれていたことを明かす小泉孝太郎 撮影=永田正雄


――この作品のオファーが来たときは、どんなお気持ちでしたか?

名作を多数輩出しているWOWOWの連続ドラマWの主演で、しかも松本清張さんの原作。喜びとともに「苦しくなりそうだなあー」と思いました(笑)。WOWOWのドラマは何作品も経験させてもらっていますが、見る分は面白いけれど演じる方は難しいシーンが多くて本当に大変なんです。だから、喜びとともに覚悟が生まれました。

――小泉さんが演じられた萩崎竜雄は、ウキシマ電業製作所経理課長。2億円の手形詐欺に遭い失踪した上司・関野(甲本雅裕)の行方を追いながら事件の裏に潜む巨悪の真実を解き明かしていく正義感の強い男です。演じる上で心がけたことはありますか?

萩崎は、信頼できる男でしたね。だからこそ愛着が沸いたし、出会えてよかったキャラクターです。ごく普通の男なのですが、心の奥底に熱い炎を抱えている。そこを大事にしようと思いました。警察に行けばすぐに決着する話なのに、義理と人情で深入りしていく。その人間臭さは、萩崎の魅力ですよね。普通の男だけれど、演じるのはすごく苦しかった。笑うシーンはなかったし、どんどん憔悴していくし。無味無臭の水のような人物だけど、どこか満たされない部分がある……というのは意識して演じました。

――普通のサラリーマンなのに、どんどん事件に巻き込まれていきますよね。

そうなんですよ。最初に台本を読んだときも、先が読めない展開に話が進むごとに怖くなって、「(村木役の上地)雄輔は、俺のことを裏切らないでよ!」って思いながら読んでました(笑)。

親友・上地雄輔との共演は「頼れる相手役が雄輔でよかった」

「連続ドラマW 松本清張 眼の壁」で主演を務める小泉孝太郎 撮影=永田正雄


――3歳からの幼なじみという上地雄輔さんが事件を追うバディともいえる新聞記者の村木を演じられましたが、親友との共演はいかがでしたか?

共演は何度かありましたが、ここまでガッツリというのは初だったんです。最初に上地雄輔の名前を見たときは、不安しかなかった(笑)。仲がいいからこそ、社会派の作品でなれ合いみたいなのもが出たらイヤだったし、油断するのもイヤだったし。芸能界に入る前から夢を語り合っていた仲なんです。20数年後にその夢を叶えて、自分の主演作を雄輔に支えてもらう日がくるとは……。

――撮影では不安は払拭できたのですね。

休憩中は「コーチン(=小泉)」「雄輔」と呼び合っていても、本番になると瞬時に萩崎と村木になれた。そういう部分は「お互いプロだな」と感じました。役の上でも僕が演じる萩崎は、雄輔演じる村木を頼るし、村木と一緒に居る時間だけがホッとできる時間でしたが、そういう相手役が雄輔でよかった。感慨深かったですね。感謝の気持ちを込めて、後日、食事をおごりました(笑)。