東山紀之、丸腰で任務にあたる公安調査庁の仕事に「究極の正義感」と感銘を受ける 現・公安調査庁長官を表敬訪問 <GAME OF SPY>

2022/07/08 18:00 配信

ドラマ

現・公安調査庁長官の和田雅樹氏(左)と「GAME OF SPY」主演の東山紀之(右)(C)東映株式会社

忍者の武器を駆使し、テロを防ぐ日本版スパイが、面白さを倍増させている


小谷:いわゆる“スパイ”のイメージと言うと「007」などの印象が強いですが、東山さんは今回、スパイの役柄を演じるということで念頭にありましたか?

東山:やっぱりスパイと言えばショーン・コネリーさん、「007」のイメージは強かったですね。今回は日本の文化と融合させて独自の世界観を築けたんじゃないかと思います。忍者も情報収集が任務の基本だと思うので、どうしても手裏剣とか吹矢が注目されがちですが、実際には情報を収集して一線で役立てていくという任務が主力だったかと思います。そうした部分と現代の社会の情勢を踏まえつつ「テロを防ぐ」という任務にあたっていて、ドラマでは僕も実際に動いて、武器を使ったりもしていますが、エンタテインメントの広がりという意味で、面白いものができたんじゃないかと思っています。

小谷:忍者の武器を駆使してという部分は驚かされました。

東山:ただキャラとして、僕が演じた羽柴はちょっと抜けてるところがありまして(苦笑)、方向音痴でデジタルに弱く、語学も苦手という設定でしたので、どちらかというと肉体を使って解決に導くキャラクターで、演じている側としては面白かったです。

小谷:ちなみにお気に入りの忍者道具や武器などはありますか?

東山:吹矢を使ったとき、どういう映像になるかと思ったんですが、CGを加えて面白い映像に仕上がったなと思います。

小谷:個人的には風呂敷で銃弾の攻撃を防ぐというのが面白かったです。

東山:忍者は実際にそういう使い方をして、槍を防いだりしてたみたいで、昔の人の知恵というのはすごいものがありますね。先日「忍術書が発見された」というニュース(※「忍者の里」として知られる滋賀県甲賀市で、幻とされていた忍術書が発見された)がありましたが、「手に“鬼”という字を書くと犬に吠えられない」といったことが書いてあったそうですが、そうした昔ながらのものをドラマを通じて世界の人が見たら新鮮に感じていただけるんじゃないかと思います。

小谷:公安調査庁はそういった「秘密道具」や公安調査庁ならではの科学的な武器といったものはないんですか?

和田:我々は何もないんですね…(苦笑)。先ほども申しましたが、「警察」の身分を持っていないので、武器を持てませんし、強制力もないので完全に丸腰で任務にあたっています。

東山:「究極の正義感」ですよね。活動自体、おおっぴらに知られてもいけない部分もあるでしょうし、みなさんの心の中にある強い正義感で動くわけですから、それは究極のものだなと思いますね。

語学力よりコミニュケーション力が、情報収集の要


小谷:以前、公安調査庁にお伺いした際に、民族衣装をまとった女性職員の方を見かけましたが、そういった簡易な“変装”みたいなことは活動の一環でされたりすることはあるんでしょうか?

和田:いや、あれはインターンの学生向けに実施した体験ツアーのためにやっていたものですね(笑)。ただ、活動の中でいろんな人間と付き合うので、そういった中ではいろいろなことがありうると思います。

小谷:いざという時はそういうものを駆使して変装して、あちこちのコミュニティに潜伏するといったことも?

和田:どうでしょう(笑)、ひとそれぞれ、具体的にどのように現場で任務にあたっているかはお答えが難しいですが…。

東山:コミュニケーションのひとつの方法として、そういうものを使われてるのかもしれませんよね。先ほどもありましたが、「公安調査庁」と聞くと厳しいイメージを抱かれることが多いので、周囲といかにコミュニケーションをとるかという点で、みなさんいろんな努力をされてるんだろうなと思いますね。

小谷:コミュニケーションという点では、羽柴は語学が苦手という設定とのことでしたが、やはり語学はできた方がよいのでしょうか?

和田:語学は必ずしもできなくていいんですよね。というのは、情報収集などにおいても、必ずしも外国の方とコミュニケーションを取るとは限りませんので。ただ今の時代、オープンソースの情報を見る上で、語学ができればその国の言葉で書かれた情報にあたることができるんですね。いろんな情報を拾えるというのはひとつのポイントであり、その国の言語がわかるというのは武器ではあると思います。あとはやはり、外国機関とのつきあいもあるので、そこでコミュニケーションを取る能力があるというのはいいことではあると思いますね。

小谷:「語学力」というよりも他者との「コミュニケーション力」ですね。情報収集において、他者と親しくなる、イマドキの言い方でいうところの“コミュ力”は必要ということですね?

和田:それは必要ですね。

小谷:羽柴はあまりコミュ力が高いとは言えませんが…(苦笑)。

東山:行き当たりばったりで「なるようになる」って感じでやってるんでね(笑)。「考えがある」と言いつつ、何もなくて現場に行ってから対応するみたいな…。

小谷:ただ、肉体派で軍隊格闘のカリ・シラットなどを使いこなす男ということでしたが、実際に訓練を積まれたんですか?

東山:アクションシーンのトレーニング、リハーサルはかなりやりました。それぞれ武術のスタイルがあるので、それを踏まえた上で稽古を積むことが大事だったので、リハーサルも含めて動きに関してはかなり細かくやりました。

小谷:アクションシーンでは何十人も相手にするようなシーンもあり、かなり大変だったのでは?

東山:大勢でのアクションシーンは深夜の撮影で本当に大変だったのですが、やっていると時間を忘れちゃうんです。集中して良いシーンができたんじゃないかと思います。