公開中の映画「夜明け告げるルーのうた」で、声優を務めたキュートなルックスで幅広い世代から人気の谷花音と、注目の若手俳優・下田翔大。
初共演の2人に互いの印象から、こだわった点やお気に入りのシーンまで、たっぷりとお聞きしました!
同作は、両親の離婚から心を閉ざした中学生・カイ(下田)が人魚のルー(谷)と出会ったことで、自分の気持ちを口に出せるようになり、互いを思い合う青春ラブストーリー。
また、公開中の映画「夜は短し歩けよ乙女」で監督を務めた湯浅政明の初オリジナル劇場作品であり、ポップなキャラクターと美しい映像で、どの世代の心にも響くような作品だ。
――出演が決まったときの気持ちをお聞かせください。
谷:初めて台本を読んだとき、ルーちゃんは天真爛漫で元気な子なんだなっていうのが伝わってきました。とにかく映像を見るまでは、どんな子なんだろう?って楽しみでした。
下田:メインの役どころっていうのもあって、すごく緊張していっぱいいっぱいでした。緊張し過ぎて、監督や周りの皆さんにもそれが伝わっていたみたいで(笑)。監督から「自然体でやってくれるのが1番だから」って言われて、ちょっと自然にできるようになりました。
――声優として役作りで意識したことはありますか?
谷:ルーちゃんはいつでも元気な子なので、声のトーンを変えないように気を付けました。
いつも笑顔で、何でも楽しく思えるところはルーちゃんと似てるかなって思います。
下田:俳優として出演するときは、声だけでなく自分の姿も見えるけど、声優は声だけで全てを表現しないといけないので、いつもよりちょっと“オーバーアクト”ぐらいな気持ちで演じました。
――特に難しかったシーンはどこですか?
谷:ルーちゃんは陽に当たるのが弱くて、当たりそうになったときに、悲鳴を上げるんですけど、監督から「人間っぽくないように」って言われて、最初は思うように声が出せなくて難しかったです。
下田:全部難しかったんですけど、特に歌うシーンですね。でも慣れてきたら、だんだん楽しくなっていきましたね。
――2人とも歌うシーンがありましたが、いかがでしたか?
谷:1行ずつ収録していたんですけど、大切に大切に歌っていきました。家で練習するというよりは、撮影現場で監督から「ここはこういう感じ」って教わりながら歌いました。
下田:歌うって決まったとき、すごく緊張して。普段カラオケに行かないので、自宅の風呂で練習しました(笑)。
監督から「魂の叫びというか、心にガツンとくるような感じ」とレクチャーを受けて、それを参考に風呂でたくさん練習しましたね(笑)。
――それぞれ演じた役に共感できる部分はありますか?
谷:ルーちゃんは音楽が流れると踊り出すんですけど、踊りがうまくても下手でもノリノリで。私は踊るのはうまくないんですけど、ノリノリなところはルーちゃんと似てると思います。
下田:カイの気持ちをパッと切り替える感じとか自分っぽいなって思いました。僕は普段は部屋の掃除とか全然しないんですけど、たまるととことんやるんですよ(笑)。
――この作品の魅力をお聞かせください。
谷:心を閉ざしていたカイ君が、ルーちゃんとの出会いによって、だんだん心を開いていく物語なんですけど、ルーちゃんは、カイ君とお話しすることがすごく楽しくて、でも日本語が片言で、そこがかわいいです。
下田:歌とストーリーが混ざり合っていて、映像もきれいなところですね。
――それぞれ1番好きなシーンについてお聞かせください。
谷:ルーのパパ(声:篠原信一)が日差しに弱いのに、日差しを浴びながらもルーを助けに行くシーンです。ルーちゃんのシーンでは、パラソルを持ってノリノリで踊るところです。
下田:ルーが水を立体的に浮かび上がらせるところがあるんですけど、それが非現実的な水の動きで、不思議な空間ができていて、その映像がすごく好きです。
――初共演ということですが、互いの印象についてお聞かせください。
谷:初めて会ったとき、本当にカイ君っぽくてびっくりしました。話したらとっても優しい方で、そこもカイ君と似てるのかなって思いました。
下田:ルーちゃんみたいな元気なオーラに圧倒されました。収録は別々にやっていたんですけど、僕が収録するときは、すでにルーちゃんの声が入ってて、すごくかわいいなって思っていました。
――劇中で「好き」というせりふを言うのは、恥ずかしくなかったですか?
谷:ルーちゃんは「恥ずかしがるということがあるのかな?」って思うような子で、好きだから好きって言う子だと思います。だからそういう恥ずかしいとかは、全部捨てて演じました。
下田:お芝居なので、恥ずかしいとかはないですね。
――どのタイミングで役に入るんですか?
谷:撮影現場に行ったら、ルーちゃんになります。まだ気持ちがのっていなくてもルーちゃんの映像を見ると、ルーちゃんになれました。
下田:撮影現場に行ってからというか、厳密にいうと台本を開いたら、役に切り替えられます。
――監督からはどんなアドバイスがありましたか?
谷:「ルーちゃんは人魚なので、人間ぽくしないでほしい」って言われて、歌も歌詞じゃなくて、「ぴっ」とか「ぴゃ」とかって言われて。最初は“人間ぽくしないで”っていうことに、悩みました。
下田:「とにかく自然体で作り込まずに」って言われていました。台本を読んでいて疑問に思うところは監督に聞いて。それに対して、1つ1つ丁寧に答えてくださったので、常に相談していました。
――作品の見どころをお聞かせください。
谷:ルーちゃんとカイ君が仲良くなっていくところを見てほしいのと、最終的に互いが大好きな存在になっていくので、どこからそういう気持ちになっていくのかに注目してほしいです。
友情のお話でもあって、私もこの作品を通してクラスにポツンっといる子がいたら、声を掛けてあげたいなって気持ちになりました。
下田:ルーに会うまでカイは心を閉ざしていて、人と接することが好きではなかったんですけど、ルーと出会って自分の思ってることを素直に伝えられるようになっていくので、そういうカイの心情の変化を見てほしいです。
――今後挑戦したいことはありますか?
谷:自分の年齢よりももっと年上の役をやってみたいです、お姉さん役とか。
下田:いろんな役をやってみたいんですけど、とにかく映画にたくさん出たいです。映画って撮影期間が長いから、その中で学べることがたくさんあると思うし。撮影現場って緊張するんですけど、その緊張感がすごく好きで。いろんな俳優さんの芝居を見て勉強したいですね!
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