――全成の最期を知った時の思いをお聞かせください。
台本を読んだ時点で号泣してしまいました。こういう結末が待っているというのはもちろん、分かってはいたんですけど、そこをどう三谷さんが描かれるのかが分からなかったのと、実衣が全成の死にどう関わって、何を感じてどう反応するのかというのはまったく予測できていなかったので、全成さんの死を聞いたときの実衣のたたずまいや、彼女が義時に聞く質問というのが、実衣らしいなと感じました。
――全成の好きなところを教えてください。
いろいろあるんですけど、秘密にしておきたいところもあります。なんでかというと、二人にしか分からないことなんだと思うんですよね。周りから見ていると「なんであの二人が」とか「あの人のどこが好きなんだろう」とか思うかもしれないけど、実衣と全成は似た者同士というか、言い方は不思議ですけど“共犯者”のような感じなんです。それぞれ立派な一族の中でもふわっとした立ち位置で、ちょっと忘れられがちで、何をしているのかよく分からなくて、という、すごく共鳴する部分が二人にはあるんだと思います。
実衣は全成さんが秘めているパワーみたいなものを信じていて、そこが共鳴しあってひかれているのかなと思うので。実衣にとっては彼の魅力というのが、実衣にだけかかっている魔法じゃないですけど、誰にも分かってもらえなくてもいいし、たぶん、二人とも分かっているようで分かっていないのかも知れない。全成さんが最初の頃、「生まれる前からほれていました」みたいなことを言いますが、それを受けて実衣が「言っていることがよく分からないところにひかれました」と言えることが逆にすごいなと思いました。言葉では表現できないレベルでひかれ合っていたんだなというのを、占いの力も込みで感じました。
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