――石子と羽男の関係性も徐々に変化していっているように思えます。新井さんが二人の変化を感じたシーンはありますか?
石子と羽男が第6話で見せた表情が、第5話を経て少し変わったように思えて。第6話の「顧問弁護士取れるかも」という流れで、今までの石子なら「そんなこといけません!」と反応しそうなところを「ですね~」って感じでニヤニヤするんです。
それを見た時に「そういうお芝居をするんだ」と驚いて。台本読んだ印象より石子にユーモアがプラスされていて。きっとそれは羽男の影響なんだけど、二人の空気感が生み出されるものがすごく増えたなという印象です。
お二人も第6話以降どうやってキャラクターを変化させていくか、すごく考えてくださって。(台本の)準備稿が上がった時点で意見を聞いて、決定稿に反映するようにしています。
――他のキャストさんのシーンで印象に残っている表情はありますか?
第4話で、大庭が就職の面接に行くときに、石子から「いってらっしゃい!」と声を掛けられるのですが、その時の赤楚さんがすごく良くて。あとは、第5話の告白シーンです。「どんな芝居するんだ!?」と思って、ドライ(※リハーサル)をにらんでいたんですけど(笑)。すごく良かったですね。
――塚原監督の演出が毎回SNSで話題になっていますが、新井さんの中で印象的な演出やシーンはありますか?
第4話は、事故で視力を失った絵実(趣里)が妹のために防犯カメラの映像を探す、というストーリーなのですが、法廷で映像が流れても音がないので絵実には状況が分からないんです。そこで、石子が手をにぎりながら、何が映し出されているのかを口頭で説明していくのですが、(塚原監督は)「主題歌のこのフレーズを絶対に当てたいんだ」とこだわって、何回も編集していました。
ほかにも、防犯カメラと眼鏡をリンクさせて撮っているなど、台本にはない演出が加わったのは第4話かなと思います。
――では、山本監督の演出で印象的だった回を教えてください。
やっぱり、ファスト映画がテーマの第3話でしょうか。とにかく反響が大きくて、分析班から「第3話放送後から引用リツイートが減りトレンドに上がらなくなった」と言われて。
皆さん、放送後に好きなシーンを写真や動画とともに上げるじゃないですか。でも、ドラマで著作権法を取り上げて以来、つぶやきが少ないっていう(笑)。
――第3話の終わり方について、SNS上ではさまざまな意見が飛び交いました。
実は恭平(でんでん)が遼平(井之脇海)を許すという選択肢もあったのですが、山本監督の強い思いで“許さない”という結末になりました。脚本を担当している西田さんは監督もやっていらっしゃいますし、みんなの思いが詰まった第3話だったなと思います。
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