主人公が自分の知らない恋人の一面が明らかになっていく展開を見て、「家族のことだってよく知らないんだから、他人のことなど知る由もないだろ」という筆者の父の言葉を思い出した。友人との人間関係で悩んでいた時にそんなことを言われて、当時はいまいちピンとこなかったが、ようやく腑に落ちた。
波風が立たないから仲良しカップルなのではないし、長年連れ添ったからといってお互いの心が通じ合っていて、すべて打ち明けられているわけでもない。今後も失踪した“F”を捜すうち、“M”がいろんなことを思い知らされていくのだろう。そんな“F”の姿に、自分を重ねる男性は多いのではないだろうか。
ラブストーリーでありながら、ミステリーの要素も垣間見せる展開に、ネット上には「謎が深まるばかり」「面白い展開になってきた」「彼女を探すにも手掛かりが…」「この先どうなるんだろ?」「会話劇が面白い」などという声が上がり、ドラマの世界観に引き込まれる人も。
なお、第2話のエンディングアーティストは国内外で称賛を呼んだ映画「ドライブ・マイ・カー」にメインキャストの1人として出演するなど、演技力に定評がある三浦透子が担当。放送中のドラマ「六本木クラス」(テレビ朝日系)では挿入歌を担当し、「天気の子」の主題歌アーティストとしても知られる三浦が、「おちつけ」を歌い上げた。同曲は、第1話のエンドソングを担当したTENDRE(テンダー)が作詞・作曲・編曲を手掛けているということもあり、どこか不思議な縁も感じるラストとなった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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