<クロサギ>坂東彌十郎、山本耕史ら大河ドラマ俳優が放つ“詐欺師”としての圧倒的存在感

2022/11/09 19:45 配信

ドラマ レビュー

平野紫耀と見応えあるやり取りを繰り広げた山本耕史「クロサギ」第3話より (C)TBS

King & Prince平野紫耀が主演を務めるドラマ「クロサギ」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系) 。11月4日放送の第3話では、“クロサギ”黒崎(平野)と山本耕史演じる“シロサギ”白石が対峙。2人の見応えある演技に反響が寄せられた。この山本のほか、同ドラマに続々と現在放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に出演している俳優が顔をそろえていることも話題になっている。(以下、「クロサギ」「鎌倉殿ー」放送済み回の内容についてネタバレあり)

詐欺師をだます世界でただ一人の詐欺師・黒崎の物語

同ドラマの原作は、2013年に全42巻で完結した黒丸夏原武による漫画「クロサギ」シリーズ。2022年の現代を舞台に、詐欺によって家族を失った主人公・黒崎高志郎(平野)が、人をだまして金銭を奪うシロサギと呼ばれる詐欺師をだます詐欺師=クロサギとなって、本当の“敵”を探し出し闘っていく物語が繰り広げられる。

検事志望の大学3年生・吉川氷柱を黒島結菜、甘味処の店主ながら裏の顔は詐欺師業界のフィクサーである桂木敏夫を三浦友和が演じる。

黒崎は桂木からシロサギの情報を買って動いているのだが、第2話で黒崎がクロサギとなる誕生秘話が描かれた。黒崎の敵は、父をだました御木本(坂東彌十郎)で、実はその詐欺の“設計図”を描いたのは桂木。一度は桂木に復讐しようとしたが失敗し、考え直した末にまずは御木本にたどり着くべく、詐欺師となることを決意して桂木に土下座して師弟関係となった。

黒崎と対峙する詐欺師役で大河ドラマ出演俳優が続々出演


第1話で御木本が登場したのは終盤に差し掛かったところ。高級スーツに身を包んだ御木本は、バーで秘書から黒崎がターゲットとした詐欺師について聞かれても、折り鶴に夢中となっているだけだった。その姿も何を考えているのか怪しかったが、その後、その詐欺師を見限ったことを思わせるような、折り鶴を車の窓に押し付けてつぶす描写と共に不敵な笑みを浮かべていた。実に表情作りがうまい印象だ。

演じる坂東は、歌舞伎役者として活躍し、テレビドラマへの出演は少ない。だが、今年は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)で主人公の北条義時(小栗旬)の父・時政の役で出演。SNSで「時政パパ」と親しまれるキャラクターを作り上げ、久しぶりの登場となった11月6日放送の第42回で最期を迎えた。

その坂東のほかにも「鎌倉殿ー」に出演する俳優陣が、黒崎と対峙する役で登場している。

第1話ラストで登場し、第3話で黒崎と対峙した大企業のみを標的とする”シロサギ”の白石を演じる山本耕史は「鎌倉殿ー」で義時の盟友・三浦義村を演じている。そして、「鎌倉殿ー」8月7日の放送で壮絶な最期が描かれて呼び名がトレンド入りした阿野全成を演じた新納慎也は、第2話で黒崎のターゲットとなった探偵役に。続いて第3話では、「鎌倉殿ー」で“13人”の一人・大江広元にふんする栗原英雄が知的財産に関する詐欺をはたらく人物で登場した。