11月20日放送の日曜劇場「アトムの童」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)第6話で、前回、SAGASのワナにかかり天国から地獄に叩き落とされたアトム玩具が、悪夢の買収劇から1年で再出発の手はずを整えた。仲間が再び揃ったことに視聴者も胸を熱くし番組名がTwitterのトレンド入りをする一方、銀行からアトムへ転職した鵜飼(林泰文)の姿がなかったことを心配するコメントも多く、鵜飼の意外な人気ぶりが露呈した。
この作品は、ゲーム業界を舞台に、天才ゲーム開発者・安積那由他(山崎賢人)が自分から全てを奪った巨大資本の企業に仲間たちと共に立ち向かう熱い下剋上バトルストーリー。と共に、那由他の成長物語でもある。令和4年度(第77回)文化庁芸術祭参加作品。また、ディズニー公式動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」にて世界配信もされている。(以下、ネタバレを含みます)
SAGASの卑怯なアトム玩具買収から1年――「アトムワールド」はSAGASのゲームとして売り出され大ヒット、そして社長の興津(オダギリジョー)は経産省のクールジャパン推進計画で重要なポストを任されるほど、日本のゲーム界をけん引する人物となっていた。
一方、アトムの面々はバラバラになり、八重樫(でんでん)や各務(塚地武雅)はSAGASに雇用され、海(岸井ゆきの)は古巣の銀行に契約社員として戻り、隼人(松下洸平)は自動車メーカーでAI開発に携わっていた。彼はこの自動車メーカーやゲーム会社から正社員の話が来ているが、アトム復活を諦められず断っている。
そして、那由他は自動車整備士と学童の先生を掛け持ちで働いていた。子供のために新たなゲームを作って楽しませていたが、「ゲームは害悪でしかない」と譲らない頭の堅いPTA軍団に猛抗議を受け、ゲーム禁止に…。今まで面と向かって「ゲームは有害」と言われたことがなかった那由他は、ゲームに対する価値観が揺らいでしまうほどショックを受ける。
そんなある日、那由他は学童の生徒・翔太(岩川晴)を家に送り届ける際、登下校の道に危険が多い上に子供たちも交通ルールをしっかり守れていないことを知る。そして、先日、隼人から聞いた“シリアスゲーム”(娯楽目的だけではなく、教育や医療、社会問題の解決のためのゲーム)の話を思い出して、登下校のシュミレーションゲームを思いつき、さっそく隼人に協力を頼む。
翔太はこのゲームのおかげで、1人で安全に下校できるようになる。母・美佐子(加藤ローサ)のママ友たちもこのゲームに興味を示し、那由他と隼人は八重樫たちにも協力をあおぎ、より正確なマップ作りを目指した。仲間たちとワイワイ言いながらの作業は昔に戻ったような気持ちにさせ、完成したゲームを楽しそうにプレイする子供たちを見て、旧アトムの面々は充実感に浸るのだった。
しかしまた、例のPTAから横槍が入り、那由他はほとぼりが冷めるまで謹慎、そして子供たちが登下校ゲームをすることも禁止に。那由他を目の敵にしていると感じた彼らは、学校で校長やPTAたちにゲームの説明をすることにした。実際にプレイ画面を見せながら、過去の事故情報や役所のハザードマップなども反映していることを説明すると、校長や一部のPTAは好意的に受け止めた。だが、PTA会長だけは相変わらず「でもゲームはゲーム。おもちゃの延長」と反対の姿勢を崩さず、那由他と隼人自身を否定するような発言までする始末。たまりかねた海が反論したが、この母親の考えを変えることはできなかった。
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