タレント・女優として活躍し、昨年は初のエッセイ集『母』が話題となった青木さやか。今回は、読者から寄せられた悩みに答える。
これまで、娘とのさまざまなエピソードを描いてきた本連載にて、今回から短期集中で悩み相談がスタート。読者から寄せられる「親子」に関する相談に青木さやかが答える。第一弾となる今回は、関係のうまくいかない母とこのまま距離を置いてもいいものか?という相談。数十年にわたる、母との葛藤を乗り越えてのアドバイスとは。
青木さん、こんにちは。母との関係で悩んでいます。
母は子どもの選択を特に理由なく否定したり、かと思うとトロフィー扱いしたりして、若いころはずいぶん振り回されました。私も結婚して息子が生まれ、程よい距離感でやれているつもりでした。が、半年ほど前に大きなケンカをして以来、LINEもブロックしているし一切連絡していません。なんというか「もうこの人たちとはこれ以上関わっても無駄」と、スッキリしてしまったんです。
私なりに親子関係について学び、母の人生にあったであろう辛さなども理解しているつもりです。でも、理解しているからといって飲み込んで仲良くできるものでもなく。40歳にもなって親のことで悩んでいるなんて、なんだか情けないし時間がもったいないし。早くけりを付けて自分の人生を充実させた方がいいと思うのですが、なかなか気持ちの置き場が見つかりません。
青木さんはどう思われますか?「もう私たち親子は離れたままで終わりましょう。さよなら!」という選択肢はありだと思いますか?(P.N りんりんさん 40歳)
『母』という自伝的エッセイを出させていただいてから、多くの女性の方達からお手紙やSNSに長文でメッセージをいただきます。その内容は、わたしの本に対する感想ではなく、ほとんどが、ご自分が母親に対して実は憎んでいたのだという心の奥底の吐露や、絶縁してみたもののどうも苦しさが残る、年老いた親に対してこれでいいのであろうか、という自分でも、どうにもならない心のうち。
わたしの本を読んでいただいたのをきっかけに蓋をしていた母親への思いが、ブワッと出てきてしまったのかもしれません。そして、気持ちの持って行き場がなく、わたしにお知らせくださったのではなかろうか、そう思ったりもしています。
りんりんさん、こんにちは(ここで挨拶を挟むという斬新さ!)。
「もう私たち親子は離れたままで終わり、さよなら!」という選択肢は、ありか、なしか。
親で悩む自分に早くけりをつけたいというお気持ち、よくわかりまして。結局のところ、わたしは親のことで気持ち掻き乱され、その負担は異常に大きく、この数十年、そこから抜け出すべく様々な挑戦をしてきたように思います。まさにそこに人生を費やしていたと言っても過言ではないかも。
今回は、わたしの体験的なお話を書かせていただきますので、参考になればと思います。
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