杉野遥亮「別の時代劇にも出てみたいなと思いました」大河ドラマを経験した思いを明かす<どうする家康>

2023/01/15 20:45 配信

ドラマ

途中で足をつるかと思いました


――緊迫したシーンに一人介入していきますが、演じていていかがでしたか?

緊張しました。もともと、このシーンを一連で撮るとは思っていなかったんです。だから現場に来て「まさかの一連!?」と思いながら、障子の裏でずっと殿と平八郎の会話を聞いていました。途中で足をつるかと思いました(笑)。ただ、一連で撮ったからこそ、あの緊迫した場面に飛び込んでいく小平太のリアルな気持ちを感じられたかもしれません。でも、あの状況で突っ込んでいけるのが小平太というか、家臣団の中で一番ひょうひょうとしているのが小平太かなと。僕自身は「いいな、小平太」と思っています。

――杉野さんは演じる際に、どう役にアプローチしているのでしょうか?

考えるだけ、かもしれません。「このせりふ、どういう気持ちで言うのかな?」と考え続ける感じです。その気持ちを本番で出せればいいなと思っています。一般的に“役作り”と呼ばれるものはあまりしません。あえて言葉にするなら「その人を知る」というのが近いかもしれません。いかに繊細なところまで演じる役の感情を掘り下げられるか。その人の言葉や行動の一つ一つを、人間として立体的に表現していけるかと考えると、結局「想像する」とか「その人を知る」ということでしかないのかなと、僕は思っています。時代劇だと所作や馬の稽古は当たり前にやることであって、“役作り”とはちょっと違う気がしています。

自分にも相手にもうそをつかないようにしています


――「その人を知る」ために、よりどころにしているのはせりふですか?

せりふは大きいです。あとは日々の生活。あくまで僕はですけれど、できるだけちゃんと生活したいんです。日常生活でうそをついちゃうと、うそをつくのに慣れて感情が動かなくなっていく気がするんです。簡単に逃げ道を作れてしまうというか。それが嫌だから自分にも相手にもうそをつかないようにしています。そうするとぶつかることも、傷つくことも多いけれど、その時の感情をストックしていく中で、知らない感情と出会えることもあるんです。そういう時、むしろ「生きているな」と思います。