――お芝居のためだけではないかもしれませんが、プライベートでもうそをつかないようにすることが、役者としての糧にもなっている?
そうですし、それは相手への礼儀でもあるのかなと思っています。相手にとって気持ちいいことだけを言うのって、結局は自分のためでしかないと思うんです。それは価値観の話なので、役のためにやっているわけではないんですけれど。結果的にそれが芝居に生きているのかもしれない、というくらいで、実際はうそは自分の気分が下がるし、暗くなっていくから嫌なんです。それだけかもしれません。
――大河への出演で新しい発見はありましたか?
大河ドラマを経験してみて、別の時代劇にも出てみたいなと思いました。もともとは時代劇に苦手意識があったのですが、「どうする家康」をやってみて「え、待って面白い」「なるほど、こういうふうにやっていけばいいのか」と感じる場面が多くて。今や「ここで培ったものを、どこかアウトプットできる場がほしいな」と思ったりしていますね。
――視聴者へメッセージをお願いします。
人が何に触れたとき、どう心が動くのか。どういったことに心を奪われるのか、といったことが、この大河ドラマを通して伝わっていけばいいなと思うし伝わると思っています。あとは、榊原康政という人物をたくさんの人に知ってほしいっていう気持ちが強いです。僕自身、康政のことをあまり知らなかったですから。
これまで、徳川四天王の中で康政がちゃんと描かれることって、あまりなかったと感じているんです。でも、康政を演じていてすごく人間らしいな、生きてるなと感じます。康政のことをもっとたくさんの方に知ってもらうためにも僕が頑張らないと!と思っています。