「面白くなってきたじゃな~い?」
というところで最終回を迎えるのが良い連続ドラマだ、とあるドラマ制作者が言っていた気がする。
確かに連続ドラマの醍醐味(だいごみ)は、「この続きどうなるの!?」と引き付けられる“余韻”であり、BSや配信含め連続ドラマが飽和状態と言ってもいいくらい増えたこのご時世では、大体が1話を見ただけで、「これはいっか」と烙印を押されがち。
当然、徐々に面白くなっていくドラマも多々あるので、もったいないなあと思いつつ。せわしない社会を生きる現代人にはそれもやむなしか。
少なくともこれまでそんな心配が要らなかったドラマが、毎週木曜夜9時から放送されてきた「緊急取調室」だ。基本は1話完結スタイルなので、個性豊かなキャスト陣が、次はどういった被疑者をどう“落とす”のかが気になって、木曜の放送後はいつも眠れない日々を過ごしてきた…人もいるだろう。
各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。
今回は6月15日(木)夜9時から放送される、天海祐希主演ドラマ「緊急取調室」(テレビ朝日系)の最終話を取り上げる。
本作は、天海扮(ふん)する取調官・有希子が緊急事案対応取調班(通称・キントリ)のメンバーと共に、数々の凶悪犯と一進一退の心理戦を繰り広げるドラマの連続ドラマ第2シーズン。並み居る話題作を抑え、今クールの民放連続ドラマで初回平均視聴率トップ、クール平均視聴率トップの座もほぼ手中に収めるなど、好評を博してきた。
有希子(天海)が刑事部長・磐城和久(大倉孝二)をかばって、被弾してしまう。撃ったのは警察官から拳銃を強奪した2人組の1人・峰岸充彦(眞島秀和)。有希子の亡き夫・匡(眞島・二役)にうり二つの男だった。
峰岸はそのまま逃走。有希子の身を案じながらも、キントリの面々は拳銃強奪事件および連続狙撃事件を早期解決するため、全ての発端だと思われる5年前の事件を再捜査しようと立ち上がる。
その事件とは、峰岸の息子が被疑者として逮捕されたストーカー放火殺人事件であり、そのとき妻子の命を奪われたのが、他ならぬ今回の事件の共犯者・久保寺圭(鶴見辰吾)だったからだ。
“加害者の父親”と“被害者の父親”という、普通は相いれないはずの2人が共謀しているということは、5年前の事件は冤罪(えんざい)の可能性がある。キントリの面々はそうにらむが、磐城は頑として再捜査の許可を出さない。
それでも諦められないキントリは、勾留中の久保寺を取り調べる過程で、5年前の事件に切り込もうと計画する。幸い命に別状はなく、現場復帰した有希子は自ら志願し、久保寺の取り調べを担当。だが、久保寺は相変わらず黙秘を貫き…。
やがて、峰岸が捕まる。磐城からメンバーの再編成を言い渡されているキントリは、これが“最後の事件”と肝に銘じ、一丸となって峰岸の取り調べに挑むのだが…。
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