三田佳子の怪演に始まり、眞島秀和のまさかの再登場、そして有希子(天海)の被弾など、今シリーズのキントリは最初から最後まで話題に事欠かなかった。
2014年1月クール以来、連ドラとしては3年ぶり、スペシャルドラマとしては1年半ぶりの復活とは思えない、キントリメンバーたちの息ピッタリのやりとりに、公式Instagram・Twitterでのほほ笑ましいオフショットの数々。
一筋縄ではいかない被疑者ゲスト陣との一進一退の攻防戦、ミルフィーユのように幾重にも折り重なった難解なストーリーも相まって、ここまで高視聴率をキープしてきたのも頷ける。
最終話では、チーム・キントリが解体の危機にひんしていることもあって、これで最後かもしれないという悲壮感も漂う中での取り調べとなったが、そこでのキントリメンバー同士の深いきずなを感じさせるやりとりがまた泣ける。
正直先入観を抱いてほしくないので、明言は避けるが、キントリの誰がどう被疑者を取り調べ、どうなるのか、じっくり堪能してほしい。
それにしても、廊下で春さん(小日向文世)と善さん(大杉漣)が哀愁たっぷりに話しているシーンは、缶コーヒーのCMなのかと思うほど、画になった。それに遅れて登場した菱やん(でんでん)の一気に場を和らげる笑顔。冒頭にした“余韻”の話じゃないが、これこそずっと見ていたくなるそれだ。
ちなみに、やっぱりこの場合、缶コーヒーのブランドはBOS…いや、何でもない。
そして、“モツナベ”こと監物刑事(鈴木浩介)と渡辺刑事(速水もこみち)のこれまでにない(?)緊迫したやりとりに迫力たっぷりの咆哮、火・木と週2でクセモノぞろいの部下を統率してきた田中哲司のおとこ前っぷり、百戦錬磨の被疑者役・鶴見&眞島、磐城部長がときどき大倉孝二そのもの?になる場面など、これぞ最終話のあるべき姿!という、いろいろな要素が詰め込まれた回になっているので、たとえマル裸にされてでも見てほしい。
ちょうど現場潜入したときのワンシーンもあったが、あのおじさま方はこんなにもシリアスな場面の裏で、健康トークを繰り広げていたのかと思うと、脱帽し過ぎて地毛まで抜けてしまいそうなほどだ。
最後に天海演じる有希子について。最終話というより、今クールの有希子は孤軍奮闘というか、周囲を敵に回してでも事件の本質を見極めたいという思いが非常に強く感じられた。それも、被疑者を出し抜くための術であったり、最終的にはお互いを認め合ったりして、チームワークを決して乱すことなくやり過ごしてきた。
これもひとえに有希子の仁徳であり、何だかんだ言って優秀な取調官として認められているからこそ。ラストで彼女が見る景色がどのようなものなのかは、それぞれの目で確かめてほしいが、間違いなく見る前の人に言えるのは、「面白くなってきたじゃな~い?」ということ。
さ~て、一仕事を終えたところで、唐揚げの出番です。
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