かつて後藤銀から「人間は後藤家の者だけ。それ以外は動く肉片にすぎん」と教えられてきた恵介たち。恵介もその考えを継承するのだろうか。後藤家の中でも恵介と洋介は他の者とは少し違う一面があるように感じる場面が多かった。恵介はいまだに何を考えているのか分からない不気味さがあるが、洋介は家畜扱いされている子どもに対して、自分の顔を見せて、話し掛けたりしている。その洋介の優しさが後藤家の中の”ほころび“となるのだろうか。
家族を避難させ、単身で供花村に戻った大悟は、“証拠”をつかむために後藤家に乗り込もうとする。しかし、恵介とは違うスタンスで後藤家を守ろうとする武闘派の岩男(吉原光夫)に出くわし、殴打されて意識を失ってしまった。今回もまたまた先の見えない終わり方となったが、一つ、気を失う前に大悟は一つの種を蒔いた。それは“後藤家の中に密告した者がいる”ということ。これも最終話において、大きな鍵となりそうだ。
◆文=田中隆信
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