2022年10~12月放送ドラマを対象に開催した第114回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞の受賞者を発表中。主演男優賞は、「クロサギ」(TBS系)の平野紫耀が受賞した。平野が演じたのは、詐欺師をだます詐欺師“クロサギ”こと黒崎高志郎。「クールで深い闇を抱えた主人公を熱演」「どんな場面でも華がある」と支持された。(以下、ネタバレを含みます)
受賞を受けて平野は、「投票してくださった皆さんありがとうございます」と感謝。これまで演じてきた役とはギャップのある黒崎役については、「お芝居は自分の中では得意というわけではないので、黒崎役はとにかく大変でした。セリフ量も多いし、変装もあるし、内容も。黒崎は詐欺師に家庭を壊されたという壮絶な過去があり、第1話からずっと暗い復讐(ふくしゅう)心を抱えていた点が演じていてしんどかったですね」と、演じるのに苦労も多かったと語る。
だが、後半から最終話にかけては「黒崎という人物を自分の中で落とし込むことができたのか、台本にないところまで演じたいという欲が出てきました」。その中で、「あ、俺の中の黒崎はこうしたいんだ」と感じる瞬間もあったという。
その最終回は、予告編から黒崎が倒れる場面が流れ視聴者をざわつかせたが、演じる平野も驚く展開だったという。「まさか黒崎が刺されるとは予想してなかったですから。数日前に『血のりのテストしますので』とサラッと言われて…(笑)」と裏話も明かした。
最終回では、黒島結菜演じる氷柱と黒崎の恋の結末も描かれた。平野は「黒崎と氷柱が選んだ結末も、良かったと思います」「僕の好きなパターンの少し切ない結末でした」と振り返り、「黒島さんとは同い年。朝ドラの後、この作品に入ってくれた彼女は、僕がどんなアドリブをやっても、ちゃんと返してくれて、頼もしかったです」と明かした。
最後に「クロサギ」で得たものを聞いてみると、「自分が何を得たのかというのは分からなくて、正直、あまり分かりたくない」との答えが。その真意を尋ねると「演技だけでなくパフォーマンスや歌でも、『自分が成長した』とは思いたくない。それで成長が止まってしまったら、もったいないですから。僕のことを見てくださる方々に結果的に認めてもらえたら、うれしいですね。ただ、『クロサギ』は僕にとって、ものすごく大切な作品になりました。それは間違いないです」と語ってくれた。
(取材・文=小田慶子)
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