長澤まさみ、難役の連続も「うれしい」自分なりの正義感で向き合う、俳優という仕事

自分なりの正義感を持って俳優という仕事をしている

長澤まさみ撮影=友野雄


――素敵なエピソードですね。長澤さんと言えば、ドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」での熱演も話題になりました。「ロストケア」と同じく正義を追い求めて悩む役柄でしたが、長澤さんにとって“正義”とはなんでしょうか?

俳優という職業に向き合うことですかね。その役にどういうふうに向き合うか……自分なりの正義感を持って俳優という仕事をしているつもりなので。その役によって“正義”も変わりますけどね。

――なるほど。「エルピス」「ロストケア」と難役が続いていますが、リアリティのある役柄を求められることについてどう感じてますか?

うれしいですね!もともと実生活にも通ずるようなリアリティのある作品を観るのが好きなので。演じるのはすごい難しくて大変ですけど、「好きだなあ、こういう作品は」っていつも思いますね。

――今、好きで観ている作品はありますか?

最近だと「メア・オブ・イーストタウン / ある殺人事件の真実」が一番好きです。

――ペンシルバニア州郊外の平穏な田舎町で起こる、殺人事件を巡るサスペンスですね。

サスペンスでもありつつ、主人公の女性刑事・メアの物語でもあって。メアを演じるケイト・ウィンステットが好きなんですけど、中年女性のリアルな感じを演じていて。その世代ならではの演じ方の面白さとか、人間感、人生観というか……その人の人生が描かれているから、それがリアルな感じに見えて面白いんです。

――ちなみに、長澤さんが人生で大切にしていることって?

ほとんどの時間を仕事が占める人生になってきちゃってるんで、難しい質問ですね……(笑)。

――仕事をするのが好きというのもありますか?

でも、自分のプライベートも楽しみたいなという思いが今はありますね。経験をどんどん増やしていきたい。やってみたいことはいっぱいあるんですけど……しいて言うなら、海外に住む!新しいことが経験できそうだし、生活環境が変われば出来事も変わりそうで、面白そうだなあと思いますね。

■取材・文/石橋果奈
撮影/友野雄