草なぎ剛が仕掛けた演技の“罠”に感嘆、壮大な復讐劇が閉幕<罠の戦争>

2023/03/28 12:18 配信

ドラマ レビュー

草なぎ剛の“顔”の演技に反響続々

鷲津の復讐劇の始まりは、泰生のためだった。可南子も鷲津と一緒に共闘する覚悟を決めていた。だが、「私たちずっと同じ方向見れていたよね。でもいまはあなただけ別の方」と可南子。

続けて、愛する泰生が「俺のせいだよね。お父さんが変わっちゃったの。俺の事件のせいだろ」と言っていたことを可南子から伝え聞いたとき、鷲津の険しさ一辺倒だった表情に変化が現われた。

その後、鷲津が可南子について家を出た泰生の様子をそっと遠くから見ていると、通学路でいじめられていた子を助けていた。重傷を負った事件があっても正義感を貫く泰生の姿に、鷲津は涙を浮かべた。

大切なものを失ってしまったが、権力という魔物を手放すことはできないのか。そう思っていたとき、鷲津が動いた。竜崎に鷹野のスキャンダルも漏らすことを条件に釈明会見の生中継を要求した。

会見に現れた鷲津は、竜崎が用意させた原稿を破り捨て、「私は罪を犯しました!」と叫んだ。中継が打ち切られ、会場から連れ出された鷲津は、驚いて後を追ってきた梨恵と執務室に戻った。そこには由貴の姿があり、生配信の用意がされていた。鷲津が仕掛けた最後の大きな罠だった。

追手に邪魔されるまでの時間稼ぎをしてくれるように梨恵に頼んだときの鷲津の顔は、以前のものに。思わず涙ぐんだ梨恵のように、SNSも「鷲津の顔がー!!!戻ったぁ」と大いに沸いた。

生配信で鷲津は、息子の事件の黒幕であった元幹事長・鶴巻(岸部一徳)や竜崎の不正について暴露。自らの失職を覚悟に、心からの反省も述べた。

“顔”を取り戻してからの、永田町の悪しき秩序に立ち向かった鷲津最後の時間。演じた草なぎ剛の表現力は、これまで以上の凄みがあった。培ってきたものをすべて込めたともいうような演技は、観る者の心を捉えて離さなかった。まさに草なぎの演技の“罠”にかかり、魅せられたというところだ。

ラストは、国会議員となった可南子に鷲津が政策秘書に採用される展開に。だが、鶴巻の「そう簡単に秩序は壊せない」という不穏なひと言があり、視聴者からは続編や映画化を希望する声が多数上がった。

※「草なぎ剛」のなぎは、弓へんに前の旧字体その下に刀が正式表記

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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