ミカとナオちゃんの心温まる交流にほっこり 志摩と梨々華の歪な関係も明らかに<スキップとローファー>

2023/05/25 12:09 配信

アニメ レビュー

「スキップとローファー」第8話が放送(C)高松美咲・講談社/「スキップとローファー」製作委員会

田舎から上京してきた天然な女子高生みつみの青春が描かれるTVアニメ「スキップとローファー」(毎週火曜夜11:00-11:30/TOKYO MXほか)。5月23日に放送された第8話「ムワムワ いろいろ」では、楽しい夏休みを過ごすみつみの姿、ミカとナオちゃんの心温まる交流が描かれると同時に、志摩が抱える深い闇が明らかになった。(以下、ネタバレを含みます)

みつみと志摩の動物園デートを尾行するミカ


TVアニメ「スキップとローファー」は、2018年から講談社の月刊漫画雑誌「月刊アフタヌーン」にて連載中の、高松美咲によるスクールライフ・コメディが原作。田舎から上京してきた、勉強はできるけど、距離感が独特でちょっとズレてる女子高生の“みつみ”こと岩倉美津未(CV:黒沢ともよ)が、個性豊かなクラスメイトたちに影響を与えていく様が描かれる。

先週放送された第7話で、志摩(CV:江越彬紀)と何やら親しげな女の子・梨々華(CV:寿美菜子)に遭遇したみつみとミカ(CV:寺崎裕香)。梨々華は有名な雑誌のモデルで、志摩とは子役時代からの知り合いのようだ。続く第8話では、そんな中でみつみの高校生活初の夏休みが始まる。

みつみにとって最初の大きなイベントは志摩との動物園デート。あくまでも“友達”と言い張るみつみだが、無意識のうちに志摩を異性として意識し始めた彼女は、ナオちゃん(CV:斎賀みつき)に当日のスタイリングをお願いする。梨々華の存在が気にならないわけではないだろうが、みつみの中の志摩は何も変わらない。純粋に志摩と行く動物園に胸を弾ませていた。

一方で、入学式の時から志摩に目をつけていたミカは、梨々華の存在が面白くない。梨々華のような、一緒にいるだけで他人が羨ましがる容姿端麗な女の子とつるんでいる志摩に対し、「普通にミーハー男なんだ」とがっかりした気持ちになるミカ。だからといって、嫌いになれるほど志摩に対する恋心は小さいものではなく、ミカはどうしても気になってみつみと志摩のデートを尾行する。

そこでバッタリ出会うのが、みつみを心配してミカと同様に尾行しにきたナオちゃんだ。二人は一緒にみつみと志摩の後をついていくことに。志摩と過ごすみつみは傍から見ても本当に嬉しそうで、ミカは「誰でも男の子連れたら、自分も何かになれると思ってるのは私」と自分のことが嫌になる。だけど、大事な姪っ子のみつみが弄ばれているんじゃないかと心配するナオちゃんに「それはない、絶対」と彼女は自信を持って答えた。

それは彼女が志摩の外見だけじゃなく、中身もしっかり見ている証拠。最初はただ「かっこいいから」という理由だったのかもしれないが、みつみたちを通じて交流を重ね、志摩の内面を知ったからこそ、思いはどんどん募っていったのだ。そんな自分の気持ちに無自覚であるがゆえに落ち込むミカを、ナオちゃんはかき氷のお店に連れていく。ひょんなことから始まった二人の交流は温かいものとなった。

「スキップとローファー」第8話より(C)高松美咲・講談社/「スキップとローファー」製作委員会


パジャマパーティーの功労者はナオちゃん?


後日、ミカは結月(CV: 内田真礼)と誠(CV:潘めぐみ)と一緒にみつみの家に行くことになり、ナオちゃんと再会を果たす。もちろん、みつみたちは二人がすでに知り合いなことなど知らない。そのためナオちゃんはミカとも初対面のふりをしながら、みつみの友達を最大限おもてなしする。

この日みつみたちが集まった目的は、夏休み前にみんなで約束したパジャマパーティー。みんなで勉強したり、美容の話で盛り上がったり、楽しい時間が過ぎていく。そんな中、「私ずっと、こうやって肩の力抜いて話せる友達が欲しかったんだ」と本音を零したのは結月だ。結月は中高一貫校に通っていたが、なぜか恋愛のいざこざに巻き込まれることが多く、周りと馴染めなかったことから別の高校を受験したという。

帰国子女で誰もが羨む容姿と、偏差値が高い今の高校に合格するだけの頭脳を持つ結月。コンプレックスの塊であるミカは、ハイスペックな結月を前に「ちょっと意地悪するくらいいいじゃんって気持ちになる子がいるのもわかる」と思ってしまう。そうやって、みんなと一緒にいても心の中であれこれ考えてしまうミカは、両親と外食に行くと嘘をついてお泊まりせずに帰る予定だった。

しかし、そんなミカに「何に気後れしてるのか知らないけど、誰かと本当の友達になれるチャンスなんてそうそうないのよ」とアドバイスするのがナオちゃんだ。ナオちゃんは、自信のなさから傷つかないよう守りに入ってしまうミカに、若い頃の自分を重ねていた。生物学上の性別とは異なる性を生きてきた彼女も、なりたい自分になるためたくさんもがいてきたはず。だからこそ、ミカが抱えている悩みを理解できる。そんな年長者であるナオちゃんの包容力につつまれたミカは、みつみたちと楽しい夜を過ごすことができた。

「スキップとローファー」第8話より(C)高松美咲・講談社/「スキップとローファー」製作委員会