福山自身が「福山雅治」をど根性でブレずに演じてきた【てれびのスキマ】

2023/06/01 07:00 配信

芸能一般 コラム

福山雅治※2023年ザテレビジョン撮影

売れないと続けられないということ

そのアミューズの“同期”には、BEGINがいて、彼らは早くから売れた。そんな彼らに嫉妬するよりも自分に対する「失望」のほうが大きかったという。デビューした当時は売れたいとは思っていなかった。というより、「売れる」という意味がわかっていなかった。

最初は、好きなことを好きなようにやった結果、売れたり売れなかったりというのがあると思っていた。けれど「売れないと続けられないんだっていうことが途中からわかってきた」(「ヨルタモリ」=前出)という。そうして福山は意識を変えた。好きな音楽を続けるにはまず売れなきゃいけない、と。


1993年には主人公の弟役として出演した「月9」ドラマ「ひとつ屋根の下」(フジテレビ系)が大ヒットしブレイク。知名度が上がったこともあり「MELODY」もヒットし、同年「NHK紅白歌合戦」にも初出場を果たした。「僕がイケメンだったのは90年代。でも、その時代にイケメンなんて言葉なかった」と笑って当時を振り返る。

ではなんと呼ばれていたのかと問われ、「『抱かれたい男』です」(「『―スナックあけぼの橋』×福山雅治『ウタフクヤマ』合体新年会SP」2018年1月5日フジテレビ系)と堂々と言ってのける。それができるのは「福山雅治」という存在を当時から自分で俯瞰して見ていたからに違いない。その残酷なまでの客観性は、自分が大好きな音楽にまで貫かれている。