文化祭の非日常がもたらす関係性の変化にほっこり 最終回を前に波乱の予感も<スキップとローファー>

2023/06/14 18:13 配信

アニメ レビュー

「スキップとローファー」第11話が放送(C)高松美咲・講談社/「スキップとローファー」製作委員会

田舎から上京してきた天然な女子高生みつみの青春が描かれるTVアニメ「スキップとローファー」(毎週火曜夜11:00-11:30/TOKYO MXほか)。6月13日(火)に放送の第11話「ワイワイ/ザワザワ」では、みつみが通う高校の文化祭が開催され、人と人との距離がまた少し近づいた。(以下、ネタバレを含みます)

文化祭がもたらす関係性の変化


TVアニメ「スキップとローファー」は、2018年から講談社の月刊漫画雑誌「月刊アフタヌーン」にて連載中の、高松美咲による同名コミックが原作。田舎から上京してきた、勉強はできるけど、距離感が独特でちょっとズレてる女子高生の“みつみ”こと岩倉美津未(CV:黒沢ともよ)が、個性豊かなクラスメイトたちに影響を与えていく様を映したスクールライフ・コメディだ。

第11話では、みつみが通うつばめ西高校の文化祭がついにスタート。各々が準備の成果を発揮する。文化祭の準備期間や当日に次々とカップルが誕生する現象を“文化祭マジック”というが、恋愛に限らず、文化祭という非日常は人と人の関係に少しだけ変化をもたらすものだ。

自分の家族や中学の同級生など、文化祭を訪れた知人との時間を楽しむクラスメイトたち。しかし、みつみは地元が遠いため知り合いは誰も来ておらず、なんだか寂しい気持ちになりながら、結月(CV:内田真礼)が所属する美術部の展示室に訪れる。そこで男子生徒からナンパされる結月を見て、みつみは素直にすごいなと思うが、当の本人はあまり嬉しそうではない。声をかけてくる男子たちは容姿だけで結月に惹かれ近づくのに必死で、絵なんてちっとも見ていないからだ。

これまでも見た目だけで判断されることが多かったであろう結月。一見タイプが正反対の誠(CV:潘めぐみ)とはすっかり仲良くなったものの、その友人たちには距離を置かれてしまう。一方「こういう子とは仲良くなれない」という先入観で結月を見ていたかつての自分を、そんな友人たちに重ねる誠。しかし、今は違う。誠は友人たちに、自分がこれまで見てきた結月の内面の魅力をできる限り伝えるのだった。

その後、ミカ(CV:寺崎裕香)も合流し、4人はしばしの休憩を取る。それぞれ別の役割でせかせかしているけれど、少しの間でも会って話をしたくなる。まだ知り合ってたったの半年だが、濃密な時間を共に過ごし、そんな安心する関係性を築けたことをみつみも実感する。東京は彼女にとって、もう縁もゆかりもない土地ではないのだ。

「スキップとローファー」第11話より(C)高松美咲・講談社/「スキップとローファー」製作委員会


志摩の弟が迷子に?トラブル発生


かたや、自由奔放な生徒会長・風上(CV:榎木淳弥)にイライラさせられっぱなしの副会長・高嶺(CV:津田美波)。だが、彼女もまた風上に進路相談に乗ってもらった中学生からお礼を言われたことで、彼への見方が変わる。

きっちりとした性格でタスクをこなす高嶺と、やるべきことから脱線しがちだがそこに親しみがある風上。正反対だからこそ、お互いの足りない部分を補っていける。そんな二人の良いコンビネーションも相まって、文化祭初日は特に問題なく終わった。

しかし、文化祭2日目にトラブル発生。小さな男の子が母親とはぐれ、迷子になってしまう。実はその男の子は、志摩(CV:江越彬紀)の弟・慧理(CV:潘めぐみ)だった。みつみがそのことにいち早く気づいたのは、慧理のカバンにペンギンのストラップが付いていたから。それは動物園に行った際、志摩が慧理にお土産として買ったものだった。

慧理とは異父兄弟で、どうやって接して良いか分からず、家では距離を取っている志摩。だが、慧理が両親と動物園に行ったことがあるのを知っており、当初はお土産を渡すのをためらっていた。そんな志摩の背中を、「志摩くんが選んだから嬉しいんじゃん」とみつみが押したのである。その言葉通り、志摩があげたストラップを慧理はちゃんと喜んでいたのだ。