2023/06/21 04:00 配信
4年前、この作品で初めてお会いして痛感したのは、黒柳徹子さんが「女優」であるということ。物語上の架空の存在である役が、徹子さんの心と体を通すと不思議なことに、確かにそこに存在して、可笑しくも切なくも、ひとつの人間の魂にじかに触れたような気持ちにさせてくれる。朗読劇であるにもかかわらず多くの観客の胸を打つのは、そんな徹子さんの魅力によるのだと思います。
毎回異なる出演者が集まってくださってますが、4回目の今年は、とりわけ芸達者なキャストが集まってくれたのではないでしょうか。徹子さんとそんなキャストたちがぶつかりあうことでどんな化学変化が生まれるか、今から楽しみでなりません。
キュートな装置、グラマラスな衣装、ハートフルな音楽、そして何よりも出演者の息の合ったやりとり、ちょっぴりブラックなジョークに笑っていただき、そして最後は…。今の時代がどこかで取りこぼし、失ってしまっているけれど、人生にとってなくてはならない…そんな何かがいっぱい詰まった舞台です。どうかお楽しみに。
自分らしく生きる破天荒でキュートな79歳の女性・モード(黒柳徹子)と、狂言自殺を繰り返す愛に飢えた19歳の少年・ハロルド(向井康二)という、真逆の死生観を持つ二人は、共通の趣味である“赤の他人のお葬式への参列”で、何度か顔を合わせたことにより仲が深まっていく。パワフルな生き方をするモードに次第に惹かれていくハロルド。周囲の人々は二人の交際に大反対するが、二人は全く気にしない。そんなある日、生きることの楽しさをモードから学んだハロルドは、モードの80歳の誕生日パーティーを開く。
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