木村拓哉“風間”が新人刑事たちに託した警察官としての矜持<風間公親-教場0->

2023/06/24 17:00 配信

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木村拓哉“風間”と新垣結衣“隼田”「風間公親-教場0-」第11話より (C)フジテレビ

木村拓哉が主演を務める月9ドラマ「風間公親-教場0-」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系)が、6月19日に放送された第11話で最終回を迎えた。26日(月)に放送される特別編を前に、全編を振り返ってみたい。(以下、ネタバレを含みます)

「風間公親-教場0-」とは


同作は、長岡弘樹の小説を原作に、2020年と2021年に新春SPドラマとして放送された「教場」「教場Ⅱ」の前日譚。風間公親(木村)が教官として警察学校に赴任する以前、新人刑事の教育に刑事指導官として当たっていた時代を描いた。

風間とバディを組んで実際の殺人事件の捜査を通してスキルを学ぶ“風間道場”に送り込まれる新人刑事役には、赤楚衛二新垣結衣北村匠海白石麻衣染谷将太。また、神奈川県警捜査一課の事務員・伊上幸葉を堀田真由、捜査一課の刑事・谷本進一を濱田崇裕(ジャニーズWEST)、同じく刑事・尾山柔を結木滉星、神奈川県警本部捜査一課調整官・眞堂丈史を小林薫、通称・風間道場を考案した神奈川県警警察学校の学校長・四方田秀雄を小日向文世が演じた。

事件の犯人があらかじめ分かる倒叙ミステリーのスタイルで、市川隼人、宮澤エマ、佐々木蔵之介、筒井道隆らの他、第11話では北大路欣也と、豪華俳優が事件の被疑者となり、赤楚ら新人刑事たち、そして風間役の木村の、時に心震えるような“演技対決”も大きな見どころだった。

豪華ゲストが出演した事件と共に描かれた新人刑事の成長


その中で、主軸は風間の指導による新人刑事の成長だ。風間は新人刑事たちに「欠けているもの」を指摘し、成長を促した。

赤楚演じる瓜原の欠点は優しさだった。「厳しさが足りなかった」と気付き、刑事としての覚悟を持った瓜原に、風間は「君の欠点は長所でもある」と告げ、風間道場を卒業させた。新垣演じる隼田の欠点は、「弱音を吐けないこと」。風間はまじめで有能な隼田の側面を評価し、過去に元夫が娘を虐待しているのを見て見ぬふりしたことを振り返らせ、その経験や子育てしながら働くことは、警察にも必要であるとエールを送った。

北村が演じた遠野は、優秀で四方田の推薦で風間道場に送り込まれた人物。はじめから風間に「君はいい腕を持っている」と褒められるが、犯人に背を向けて危機を招くといったフィジカル的な弱点があった。だが「刑事になりたい」という強い思いと、風間の指導で刑事の道を歩み出すことに。

白石演じる路子は、コミュニケーションがうまく、聴取で発言を引き出す能力に長けていたが、プライベートではダメンズと付き合っている難があった。その彼氏がきっかけで停職処分が下される事案を引き起こすが、風間は男女の機微に感が働く資質を認めていた。路子は交番勤務からではあるが、警察官を続けることになった。

そして、染谷演じる中込は、はじめは問題児と言われる粗暴さ。その背景には、若年性認知症を患う母親の介護と幼い時に誘拐された経験があった。風間は、担当した事件を通して中込の心の問題にぐっと踏み込ませることで乗り越えさせた。被害者の経験、そして「犯人を許さないという気持ち」が刑事の強みになるとアドバイスした。