所属初日から「ペンキ塗りたて」の貼り紙がはがれたベンチに座るなど、運の悪さを発揮する円。しかしめげずに捜査雑費を20%カットするなど、経費削減目標に向けて仕事を進めていく。当然現場で動く刑事たちからの風当たりは強く、「お前は黙ってろ。現場を知りもしないくせに」とまで言われてしまう。
現場を知らないなら現場へ行けばいいとばかりに、変死体が見つかったという公園へ出向く円。だが持ち前の運の悪さを発揮してスプリンクラーの蛇口につまずくなど、結果的に捜査チームの邪魔を働くことに。
どんどん刑事たちからの評判が下落していく円。遺体が持っていたレシートと所持金がずれており、特に4枚もらったはずの一円玉の数が合わないと不思議がる円の言葉も、刑事たちには届かなかった。彼らは変死体が動かされたことを察知して、「犯行現場が犯人の身元に繋がるから遺体を移動したのだ」と忙しく捜査していたからだ。
少しずれたところのある円だが、手腕は侮れない。捜査経費のリストを見ただけで、湯川たちの班が聞き込みのなかで有力な情報を得ていないことを気づくなど見識は確かなものだった。
“疫病神”と呼ばれていた円は、現場捜査を希望していたという。しかし評価が振るわず内勤に。それでも諦められないのか、経費申請の書類不備で呼び出した湯川が持っていた捜査資料に目がくぎ付けになってしまっていた。面白がった湯川が総裁資料のファイルを右へ左へ動かす度に、円の目がピッタリついていく姿はまるでおもちゃ。そこで書類不備で追い詰められた湯川は、捜査資料を「読んでいいぞ」と囮にして逃げ出す一幕も。
それからも申請された経費が正しい使途と思えない、という円と刑事たちは激しく衝突を繰り返すことに。やはり内勤の身で捜査に口を出すのはやめるべきか…と悩みだした円へ、警務課の須賀は「一番の経費削減は事件の早期解決」と激励する。
円は独自に「消えた一円」を捜索。独自に割り出した一円玉の場所を探してみると草むらのなかでついに発見した。喜びのあまり大声で「やったー!」と小躍りする円だったが、一円玉の裏に血がついていたことから刑事たちが探していた変死体の殺害現場であることが判明。
だがさすが“疫病神”と呼ばれた円。偶然にも犯行現場の近くを通りがかっていた犯人に小躍りシーンを見られ、外に声が届かない部屋に閉じ込められることに。
ナイフを取り出した犯人によってあわや被害に遭う直前、湯川が飛び込んできた。間一髪で犯人を取り押さえてくれた湯川。どうやら須賀から、円がどのようにして「一円玉を落とした地点を探り当てたのか」を聞いて駆けつけたのだという。
遺体が持っていたレシートにはカップ麺が載っていたものの、見た捜査資料によれば被害者の家にはお湯を作る手段がない。そのことから、おそらくカップ麺を買って職場である大学の研究室に向かったのではないか…というのが円の推理だった。
無事事件は解決したものの、円の越権行為は明白。改めて副署長に謝罪した円は、事件が「円の報告をきっかけに解決した」ことになっていると伝えられる。今回の責任を取らせて円を追い出すこともできたはずの湯川に事情を聴きに行くと、湯川は「理由なんかあるかよ」と取り合わない。
仲良くなれたかに思われた2人だったが、最後の最後、以前に否認された湯川の領収書が円のもとへ。最後の大捕り物で破損した備品補償費で捜査費用の削減分が相殺された怒りも相まって、円は「湯川…殺す!」と気炎を吐くのだった。
刑事課一筋で、事件解決のためなら手段を選ばず強引な捜査も行い、多額の出費もいとわない古き良き時代の刑事・湯川と、几帳面な性格で「一度見た数字は忘れません」と、ささいな数字のズレも見逃さず事件を「お金」という角度で捉える円という対照的な2人を沢村と橋本が好演。湯川が円のピンチに駆けつけるなど、“デコボコ”でありながらも“尊い”コンビネーションを見せた。
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