＜きのう何食べた？ season2＞田中美佐子“佳代子”の娘の出産話を聞く、西島秀俊“史朗”の姿が感慨深い

佳代子「あの子、あの時、覚悟が決まったんじゃないかな」

2年半前。ミチルは佳代子に「あのね、お母さん。私…子供ができたんで、たっちゃんと結婚するわ」と言う。佳代子は平静を装って「あぁ、そう。あなたがそれでいいんならそれでいいんじゃないの」と返す。

計画的に子供ができたわけではなかったミチルがこれから不安もあることを話すが、「でも、今言ったこと全部、私たちが子供を作らない理由にはなったけど、できた子供を産まない理由にはならなかったんだよね」と言う。佳代子は「そっか。そっか！おめでとう！うん、おめでたい！」と言ってミチルの頭をなで、「そうかなぁ」と不安がるミチルに「大丈夫。すぐに子供がいる毎日の方が普通になるよ」と笑う。

過去を思い出した佳代子は史朗に「あの子、あの時、覚悟が決まったんじゃないかな」と話す。史朗は居間で悟朗と遊んでいるミチル夫婦らに目をやってほほ笑んだあと、ふと何かに思いを馳せる表情を見せるのだった。

史朗と賢二だけでなく周囲の者たちそれぞれの人生の重みを感じさせ、史朗らの人生も考えさせられて感慨深い思いに駆られた。

◆構成・文＝牧島史佳