<どうする家康>松山ケンイチ“本多正信”、松本若菜“阿茶”…松本潤“家康”を支える個性豊かな参謀たち

2023/10/25 12:00 配信

ドラマ レビュー

天下人へ…堂々たる佇まいの家康(松本潤)(C)NHK

「そういう危なっかしいことをすると…」


正信と阿茶は家康を支える参謀のような存在。一方、忠勝は若い頃から家康と共に苦難を乗り越えてきた。そんな3人が三者三様の立場から家康に意見を投げかける様子は、“チーム家康”とでも言いたくなる安定感がある。

第40回でも、そんな3人のバランスの良さが垣間見える場面があった。三成が豊臣家中をまとめ切れず政治が混乱する中、血の気の多い忠勝は「殿が表舞台に立ち、すべてを引き受けるべき時では」とあくまで強気。対して正信は「そういう勇ましいことをすると危ない。裏で危なっかしい者どもの首根っこを押さえるぐらいにしておくのがよろしいかと」と、策がある様子。そんな正信に阿茶が「明るみに出れば、殿が糾弾されましょう」と不安要素を指摘し…と、家康の立ち振る舞いについて検討。絶妙なチームワークを見せた。

「後戻りできぬ」家康の決意を受け止める忠勝


忠勝は、家康との絆が最も深く描かれている人物のひとり。若き日の家康に「主君とは認めぬ!」と言い切った忠勝が家康への忠誠心を強めていく過程は、そのまま武将・徳川家康の成長とも重なる。政治を預かることを決めた家康が「やるからには、後戻りできぬ。あるいは修羅の道をいくことになろうぞ」と決意を打ち明けた相手も忠勝だ。攻めの姿勢で家康を引っ張る忠勝を、「おんな城主 直虎」(2017年)に続き2度目の大河出演の山田が豪胆に演じている。

伊賀越えを機に家臣団に復帰した正信は、今や家康の信頼もあつい参謀。演じる松山が大河ドラマ主演経験者ということもあって、安定感ある佇まいで場面を引き締めている。堂々とした物言いと、ふすまからひょっこり顔を出したり何かをモグモグ口にしていたりといった愛嬌あるしぐさの緩急も面白い。