そして阿茶は、家康の側室ながら実務でも重用された女性。美しさと才覚を兼ね備えていて政治にも深い理解があり、豊臣家との最終決戦の際には重要な交渉役を担うことになる。この時代には極めて珍しい、自立した女性だ。
演じる松本若菜は「やんごとなき一族」(2022年、フジテレビ系)の演技で注目を集めた実力派。於大の方を演じた「麒麟がくる」(2020年)に続き2度目の大河ドラマで、凛とした佇まいを見せている。美しい青の打ち掛けも目を引くが、これには「(家康・正信と)あれこれ相談する場面が増えていきます。そこでは家康は紺色、正信は渋みのある色ですから、その中で阿茶は『若々しく明瞭な存在』にしたいと考えました」(人物デザイン監修・柘植伊佐夫氏『どうする家康』公式サイトより)との思いが込められているという。
次回第41回からは、家康が大阪城・西ノ丸に入り、政治を意のままに行うことになる。政権の中枢に立つことになった家康をそばで支える個性あふれる3人の挙動にも注目したい。
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