山田裕貴が松本潤との撮影エピソードを明かす「“やっと頼ってくれた”っていう感じですごくうれしかった」<どうする家康>

2023/11/12 21:00 配信

ドラマ

本多忠勝(山田裕貴)(C)NHK

武力で戦う戦というよりも、知力の戦だと思っています


――第43回では「関ヶ原の戦い」が描かれましたが、台本を読んだときの感想と、「どうする家康」での「関ヶ原の戦い」の魅力を教えてください。

「関ヶ原の戦い」では殿のそばにいることが多かったので、どうやって忠勝は殿の隣にいたんだろう…っていうことだけを考えていて。自分の思いを出す部分があまりなかったので、逆にたたずまいだけで殿をどう思っているか見せないといけないという難しさをずっと感じながらやっていました。

関ヶ原の戦いと言われると、刀で斬り合って、鉄砲の弾がバンバン飛んで…っていうイメージかもしれないんですけど、「どうする家康」での関ヶ原って、9月15日に開戦する前からもう始まっていて、関ヶ原の地に昔からの徳川派の武将がどれだけいるか調べると、僕と(井伊)直政(板垣李光人)しかいないんですよ。

あとはみんな元豊臣派の武将たちが前線に張っているんですけど、彼らにひっくり返られたら一巻の終わりなわけで。武力で戦う戦というよりも、知力の戦だと思っています。家康が裏切られていたら多分負けていただろうし。

僕も最初は忠勝って戦の前線にいるものだと思っていたんですけど、一番殿の近くにいるんですよ。多分それって裏切られたときに殿を守れるように、そこに布陣していたんだと思うんです。

“私についてほしい”っていう書状を殿がどれだけ書いてどれだけの武将たちを引き込めるか、もうそこで戦は決まってたんだっていうところを「どうする家康」では描いているので、そこがすごく見どころなんじゃないかなって思います。

――「関ヶ原の戦い」の撮影についてエピソードなどがあれば教えてください。

小平太(榊原康政/杉野遥亮)は毛利を相手にしていたから関ヶ原にはいなかったし、第1回から出ていた徳川の家臣団は僕しかいなかったんですよ。なんか、寂しかったです。殿と一緒に「なんか違うドラマみたいだね」って言いながら…(笑)。

でも、それはホントに殿に申し訳ないなって思ってて。やっぱり殿も先輩の方が相談しやすいだろうし。(大森)南朋さんとか、松重(豊)さんとか…。僕年下じゃないですか。だからちゃんと殿の力になれているのかなってずっと思いながらそこにいましたね。

でも2週間くらい前に、ホントに初めて「この言い方さぁ、もっとこう言った方がいいかな?」って聞いてきてくれたことがあって、そのときは救われました。“やっと頼ってくれた”っていう感じですごくうれしかったです。

本多忠勝(山田裕貴)(C)NHK

「俺はちゃんと役を生きられているんだな」って感じます


――最初は家康のことを主君だと認めていなかった忠勝。第1回に出てきた「俺は認めん」というせりふは山田さんのアドリブとお聞きしましたが、本当ですか?

この回のラストで、家臣団が殿に「どうする!?」と詰め寄るシーンで僕が発した「俺は認めん」に関してはアドリブです。台本には「…」しかなかったんです。

このシーン、カットがかからなくて、ずっと(殿を)見てたら言いたくなっちゃって(笑)。そしたらそれが使われていて…。みんなに「狙ってたんでしょ」って言われたんですけど、ホントに何の計算もなく、言いたくなっちゃったから言っちゃいました。

でもそういうときに「俺はちゃんと役を生きられているんだな」って感じます。台本を超えられる瞬間というか…。それまでは、僕の中では“お芝居をしてる”っていう感じなんですけど、台本を超えた瞬間から、自分が一番やりたいと思っている“役を生きる”っていうことをようやくできたんだなって感じられます。