第1話と最終話で印象的に描かれたのが、駅の上りホームと下りホームに立った2人がその物理的距離に葛藤する場面だ。
1話では、晃次にもう一度会いたいと思っていた紘子が偶然反対側のホームに晃次の姿を発見。気付いてもらおうと、手に持っていた鍵を投げるシーンが登場。最終話では逆に、電車に乗り込もうとする紘子を呼び止めたい一心で、晃次が初めて声を上げるシーンが描かれた。
線路という物理的な隔たりが横たわっていて相手になかなか気付いてもらえない、という日常でもよくあるシチュエーションだが、声を発しない晃次というキャラクターにとって、この隔たりはさらに大きい。ここで呼び止めなければ、もう二度と会えないかもしれない――その思いが、“最終話で初めて声を発する”という名場面を生み出した。
北川作品といえば、「空から降る一億の星」(2002年、フジテレビ系)が2018年にソ・イングク&チョン・ソミンでリメイクされたのも記憶に新しい。時代も反映したすれ違いを描き視聴者の心を震わせた「愛していると言ってくれ」だが、韓国リメイク版ではどんな葛藤のドラマが描かれるのだろうか。
韓国リメイク作品「愛していると言ってくれ」は、ディズニープラス スターにて11月27日(月)夜10:30より独占配信(全16話/毎週月・火曜1話ずつ配信)。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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