――寅さんを演じた渥美清さんはどんな方でしたか?
普段はあまりお話しになられない方なので、実は個人的にお話ししたことはほとんどないんです。でも、それは撮影で、作品の中のセリフの一言一言を大事にされているからなんです。
――「男はつらいよ」を見ていると、昭和の時代の文化が見えてきますし、見ていて懐かしく感じる人も多いと思います。若い世代の人たちには新鮮に感じると思いますし。
そうですよね。昭和の良さを感じてもらえたらという気持ちもあります。例えば、映画の中でもそういう場面が出てきますけど、何かをしてもらったら自筆のお礼の手紙を出したりしますよね。そういった慣わし、風習などは今でもあって欲しいなと思います。メールとか便利になった今でこそ、お手紙の良さがより伝わるんじゃないかと。あとは“人情”ですね。今も柴又とかに来ると人情をすごく感じます。こんな感じで今もあるものだと思いますけど、作品を見て、人とのつながりや人情を感じてもらえたら嬉しいです。
――2024年は元日から3日間、リリーさんが登場する「男はつらいよ」が放送されるということで、幸先のいい年になりそうですね。
本当にそう思います。新しい年の始まりに放送してくださるのが嬉しい。今回、取材を受けるということで、出演した作品を何度か見返しました。何回見ても面白くて、今も新鮮に感じました。きっとこのシリーズを嫌いだという人っていないと思うんです。なので、お正月に家族とか仲の良い方たち、みんなで見ていただけたら嬉しいです。
◆取材・文=田中隆信
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