3月8日に都内で「第47回日本アカデミー賞授賞式」が行われ、最優秀主演男優賞に映画「PERFECT DAYS」の役所広司が受賞した。
「優秀主演男優賞」は、役所の他、映画「シャイロックの子供たち」の阿部サダヲ、映画「ゴジラ-1.0」の神木隆之介、映画「エゴイスト」の鈴木亮平、映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」の水上恒司が受賞。
役所は、撮影を振り返り「この映画は今まで自分が携わってきた映画とは全然違うタイプの映画で、監督がビム・ベンダースという、自分の俳優人生の中で、ここで彼の作品に出合えると思っていなかったので、毎日監督が映画作りの楽しさを教えてくれて、スタッフもキャストものびのびやっていたような気がします」と明かした。
また、海外での映画祭での評判について「よくQ&Aとかで、『東京の渋谷という街に、17の美しいトイレがあります』と言うだけでお客さんが笑うんですよ。最初は何に笑っているんだろうと思いながら、『どうぞ渋谷に来たら、そこで気持ちよく用を足してください』って言うとドカーンと笑うんですね。だから、(海外では)公衆トイレが美しいってことがあり得ないという思いがあって、皆さん笑うみたいなんです」と海外とのギャップを感じたことを告白した。
最優秀主演男優賞の発表を受け、トロフィーを受け取った役所は「すごくうれしいです。『とにかく公共の物を大切にしたい』という柳井康治さんの思いから始まって、今世界中のお客さんがこの『PERFECT DAYS』を見に来て楽しんでくださっているということに、とても感謝したいと思います」と述懐し、「これでやっとゴジラの牙を抜いた感じがします(笑)」とユーモアたっぷりのコメントで笑いを誘った。
◆取材・文=原田健