池松壮亮が1人2役で“ジャズの熱狂”を演じた映画「白鍵と黒鍵の間に」 フランクに楽しめる“音楽”テーマを生み出した偉業

2024/03/27 12:00 配信

映画 コラム

仲里依紗、森田剛ら豪華共演者にも注目


物語の舞台である昭和63年は、東京ドームが完成した年。バブル経済のなか“強い女性”のファッションとしてボディコンやコンサバ系と言われるファッションが流行した。さまざまな価値観がカオスを生んでいた当時の登場人物として相応しい、怪しい登場人物たちを演じるキャストも「白鍵と黒鍵の間に」の見どころだ。

仲里依紗は博の大学時代の先輩で、南のバンド仲間役。刑務所から出所してきたばかりの“あいつ”役を森田剛が、お調子者でギャンブル狂のバンマス役に高橋和也といったどこか刹那的なキャラクターが数多い。さらに高いプライドと実力を持つシンガーをクリスタル・ケイが、松尾貴史は銀座を牛耳る暴力団の会長役、佐野史郎は大学時代の博の恩師役を演じている。

またSMTKなどで活躍する実在の若手サックス奏者・松丸契が、博と認め合うK助役で映画初出演を果たしている点も見逃せない。フィクションとノンフィクションの境目を超えて、劇中の南博と松丸が共演しているのだ。

現実と非現実、現代と昭和63年、銀座という街の光と闇。あらゆる垣根を超越して、音楽と音楽に取り憑かれた人々の抗い難い魅力を描く「白鍵と黒鍵の間に」。3月20日に発売されたBlu-rayは、メイキング、インタビュー映像集、舞台挨拶映像、予告映像集などの特典映像を収録。

さらに特典として、劇伴&劇中歌&エンディング音楽を収録したオリジナルサウンドトラックも封入された。音楽を一本の柱として描いた同作の世界観を楽しめる特典といえるだろう。なお本編は各種配信サイトでも配信されている。