生田絵梨花、役の表現に悩むも井浦新から掛けられた言葉に「安心しました」<アンメット ある脳外科医の日記>

生田絵梨花撮影=梁瀬玉実

杉咲花が記憶障がいの脳外科医を演じる、医療ヒューマンドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」(毎週月曜夜10:00-10:54、カンテレ・フジテレビ系)で、ミヤビ(杉咲)の主治医である関東医科大学病院・大迫教授(井浦新)の秘書・西島麻衣を演じている生田絵梨花。麻衣は秘書というだけでなく、関東医科大学病院を有する西島医療グループ会長の孫娘で、脳外科医の綾野楓(岡山天音)と政略結婚をする予定だ。

しかし、綾野は事故で記憶を失う前のミヤビを好きだったという過去があり、現在もミヤビに未練がある様子。麻衣は表向きには家柄と立場を理解し、政略結婚も受けているという態度をとっているが、本音は異なるようで、ミヤビと親しげに接する綾野を静かな眼差しで見つめている。

5月6日放送の第4話では、ミヤビの記憶障がいには何らかの秘密があり、麻衣の祖父である西島秀雄(酒向芳)は記憶の回復を望んでいないことが明らかになった。このような状況下で、複雑な心情を抱いている麻衣を演じる生田に役への思いを聞いた。

前半は「この人は何者なのだろう?」と思わせるのが麻衣の役割

「アンメット ある脳外科医の日記」より(C)カンテレ


――生田さんが演じる西島麻衣は、多くの事情を抱える難しいキャラクターのように感じますがいかがですか?

難しいです。何を考えているか、読めないので。しかし、物語前半はこの人は何者なのだろう?と思わせるのが、麻衣の役割なのだろうと思っています。そして、それが後半どうなっていくのか。ただの冷たい人という印象が、後半にちゃんと繋がるように演じたいと思っていますが、最初は麻衣の心情を探りながらになるので本当に難しくて。撮影に入る前にプロデューサーさんたちが「いろいろ聞いてください!」と言ってくださったので、そのつど、質問をしたり意見交換をしたりしながら演じています。

――麻衣にとって綾野との結婚は政略結婚なのだと思っていましたが、第3話のゴルフ練習場での表情などを見ていると、綾野に好意を持っているように感じました。この点については、どう考えていらっしゃいますか?

麻衣の根本には綾野さんを思う気持ちがありますが、いろいろなしがらみや立場からそれを表に出せずにセーブをかけています。どんな場面でも、このことをブラさずにしっかり持っていようと意識しています。そして演じる際に気にかけているのは、そんな麻衣の表情が皆さんの目にどう映るか?ということです。気持ちを白黒はっきりできる役どころではないので、シーンごとに麻衣の感情のあんばいを皆さんに確認しています。

はっきりしない気持ちを抱えている麻衣のキャラクター

「アンメット ある脳外科医の日記」より(C)カンテレ


――第3話以降、ミヤビの記憶障がいを直そうとする三瓶(若葉竜也)の邪魔をする様子も見られましたが、麻衣の本心はどうだと思いますか? 治ってほしいという気持ちは持っていると思いますか?

ここも白黒はっきり言えないところで…。人としては治ってほしいと思っていますが、ミヤビちゃんの記憶が蘇ったら綾野さんが恋心を再燃させて、自分は結婚できなくなってしまうかもしれない。麻衣の中にはいろんな気持ちが混在していて、その中には治ってほしいというきれいな気持ちもある。だからこそ葛藤する。そういう混在する気持ちの中をさまよっているのが麻衣なのかな?と思っています。

麻衣は常にはっきりしない気持ちを抱えているので、演じる私はずっとモヤモヤしています(笑)。“この人を大切に思っています!”と宣言できたらいいんですけど、そうできない立場なので。でも、この間、大迫教授を演じる井浦新さんに「麻衣って分かりやすいよね?」と言われたんです。麻衣が綾野さんのことを好きなのがバレバレだったみたいで。自分ではそっけないせりふしか掛けていないし、セーブした振る舞いしかしていないつもりだったので、麻衣として良い方向の表現ができているんだなと思って安心しました。麻衣の心の奥底の部分がちゃんと体現できているかが一番悩むところですし、大事にしたいポイントなので、そこが視聴者の皆さまにも漏れ伝わるといいなと思っています。