みんなの相談に乗ってくれたり、話し相手になってくれたりするたんばさんだが、謎な部分が多いのも事実。
街の人たちの会話で「若い頃は二枚目だったってウワサよ」「タケノコ族、原宿で踊ってたのよ」「聖火ランナーじゃなかった? 東京オリンピックの」とかウワサが一人歩きしていて、年齢も不詳。昭和24(1949)年生まれらしいが、本人は「62、63だったかな」と自分自身のことに無頓着。
高齢者から優先的に復興公営住宅に移れるという話をされても、「まだ62ですから」といって移る気なしというのをアピールしていた。
誰の相談も受けているたんばさん。タツヤ(仲野太賀)も例外ではない。将棋を指しながら、タツヤは自分以外の家族が仮設住宅から出て行ったことをたんばさんに明かした。
そして、島(藤井隆)の会社が復興公営住宅の建設に関わっていて、島の下で働くタツヤが“立ち退き”プロジェクトの担当者になったことも伝えた。全50世帯のうち、残っているのは15世帯。これをゼロにするのがタツヤに課せられた使命。
責任を取って死ぬというタツヤに、たんばさんは止めることはせず、確実に死ねる“トリカブト”を渡した。勢いで飲んでしまったタツヤだが、気持ちが変わり、半助(池松壮亮)とオカベ(渡辺大知)にLINEを送って助けを求めた。
たんばさんの家に2人が駆けつけたが、トリカブトではなく、ヒヤシンスだったことが判明し、タツヤは一命を取り留めた。この時に、タツヤは半助がスパイをしていたことを蒸し返し、ちょっとしたわだかまりを残す様子も。
そういうこともあってか、後日、島みずから、立ち退き交渉をしにたんばさんの家にやって来た時、「私の人生、これで流れが変わるかもしれん。私は年長者だ。こういうときは手本を示さなきゃいけない」といって、「出ていきます」と立ち退きを決めた。
徐々に人が減ってはいたが、たんばさんの決意によって“街”の崩壊が大きく進むことになる。まさに、“終わりの始まり”といったところ。さて、最終回は街の人たちはどういう決断を下すのだろうか。ハッピーなエンディングを迎えられるのかどうか、気になるところ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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