<古畑任三郎>古畑が“愛車”で初臨場 ストッキングを被る姿も貴重な第3話

2024/06/22 11:30 配信

ドラマ レビュー

警部補・古畑任三郎(第1シリーズ)(C)フジテレビ/共同テレビ

“古畑任三郎”の名シーンが確立していた第3話


古畑が愛用する黄金の自転車に乗って登場する。「うちが近いもんでね」と付近に自転車を停め、殺人現場に臨場するというフランクなスタイル。「セリーヌっていうんですよ」というセリフがあるが、彼の乗る自転車は1984年にファッションブランドのセリーヌとブリヂストンがコラボして世界で30台限定発売されたレアなもの。古畑が登場する定番のBGMと共に、颯爽と自転車を漕いで来る姿はファンにはたまらないだろう。シリーズの中で第3話が初の自転車シーンである。

犯人の罪を確信して、カメラの向こうの視聴者に罪明かしの予告を語りかけるシーンも、第3話で固まったといえる。第1、2話でもそのシーンそのものはあったが、第3話では食卓で目の前のアリと話していた直後に、アリの側だけ照明が暗転し、スポットライトを浴びた古畑が語り始める。まるで舞台を見ているような、“古畑任三郎らしい”名演出のひとつだ。

「笑える死体」というサブタイトル通り、被害者は強盗を装ったままアリに殺されてしまったため、ストッキングを頭から被り、脱ごうとして上に引っ張りあげられた顔のまま息絶えてしまった。お笑い番組でよく見る滑稽な姿で死んでしまった田代の無念を晴らすため、アリを鋭い洞察力で追い込んでいく古畑。タバコの吸い殻が部屋に残されていたことから、アリと田代の恋愛関係を疑う古畑は、自らストッキングを被り、その顔のままタバコが吸えるか検証する。ほんの一瞬ではあったがストッキングを被る田村正和、という貴重なシーンが拝める第3話である。