笑福亭鶴瓶が“悪瓶”に? 鶴瓶演じる推理作家が悪い顔で狂言誘拐を偽装した第4話<古畑任三郎>

2024/06/24 12:30 配信

ドラマ レビュー

警部補・古畑任三郎(第1シリーズ)(C)フジテレビ/共同テレビ

笑福亭鶴瓶の“悪瓶”な顔が古畑によって崩されていく


「古畑任三郎」シリーズは、“こんな人が犯人役を!?”という、役者以外の豪華なゲストの出演が果たされるドラマで、そこもまた魅力のひとつである。第2シーズンで弁護士役だった明石家さんま、1999年のお正月にスペシャル放送された“SMAP”回、2006年にファイナルで放送された野球選手の“イチロー”回は有名だが、この“笑福亭鶴瓶”回もそのひとつだ。

「ゼー、ハー…」と息を切らしながら薄暗い部屋で妻を絞殺し、夜に大きなスコップを使って遺体を地中へ埋める幡随院の姿は悪魔のようである。職業柄、巧みなトリックを生み出すミステリー作家だけに、幡随院の手の込んだ偽装は数分単位でミスを犯しては成立せず、幡随院本人もヒヤヒヤものだっただろう。

しかし、殺人現場で実戦を積んできた古畑と、作品の中で犯罪を生み出す作家では勝負が明らかだった。大きなパフェと辛い明太子スパなど甘いものとしょっぱいものを交互に食べながら捜査中にも余裕を見せる古畑は、初めから誘拐そのものが幡随院の仕込んだ狂言であることを見抜いており、逆に幡随院を「さすが、落ち着いてらっしゃる」などあおる始末。「先生の御本、出たら必ず読んでいます」と言いながら文中の“鯨鳥警部”をずっと「鮫島警部」と読み間違えていたなど、古畑のチクチクした攻撃が続いた。

笑福亭鶴瓶のことを後輩芸人であるナインティナインが自身のラジオで“悪瓶”と名付け、いじっていた時期がある。いつもの笑顔の裏で目が笑っていないとか、好感度抜群のタレントであるにも関わらず生放送中に大きなミスをやらかしがちであることを、愛を込めて野次ったものだ。まさに古畑第4話は、役者・鶴瓶の“悪瓶”な姿が存分に楽しめる今作である。