沢口靖子“分身のような存在”榊マリコ役への思い「夢や希望を与えられて、俳優冥利に尽きるなと思っています」<科捜研の女>

2024/07/03 06:00 配信

ドラマ インタビュー

加藤諒の“質問”が作品の「分かりやすさ」につながる?


――これまでのシリーズではさまざまな方がゲストやシーズンレギュラーとしてご出演されてきましたが、沢口さんの中で特に印象的だったキャラクターや、今シーズンの「原点回帰」というテーマにちなんで、再登場を期待されるキャラクターがいましたら教えてください。

マリコが犯人と廃工場に閉じ込められて、酷暑の中3日間一緒に過ごした犯人がいまして。小日向文世さんが演じられた犯人なんですが、その回は印象に残っています。その人は全くの悪人ではなくて、仕方なく罪を犯してしまったという善良な人物でしたので、もう刑期は終わっていると思うのでまた再登場していただけたらいいなと思います(笑)。

――今シーズンは加藤諒さんが新レギュラーとして出演されるとのことですが、加藤さんの印象や現場での様子などを教えてください。

とてもとっつきやすくて柔軟性のある方です。ラボでの撮影は(キャストが)緊張しているシーンでもあるんですが、加藤さんがいらっしゃることでほんわかした空気になって、より笑いが多い現場になりました(笑)。

加藤さんと最初にお話ししたのは衣装合わせの時だったんですけど、やっぱり「緊張してます」と仰っていました。慣れない場所に来たなっていう感じはあったんですけれど、割とすぐに皆さんと打ち解けて、とてもいいトーンでメンバーの中に溶け込んでいらっしゃいます。

今作よりレギュラーキャストとして登場する会計係・加瀬淳平(加藤諒)(C)テレビ朝日


――今後加藤さんに期待されていることや、「科捜研」チームの中でどんな役回りになっていってほしいという思いはありますか?

今回の加藤さんの役柄は「会計係」という立場なので、(科捜研の)専門的なことに関して本当に一般常識の中で質問してこられるんです。それを私たちが分かりやすく話してあげることで、結果的に視聴者の皆さんにも理解してもらえるように、科学を分かりやすく伝えていけたらと思っています。

加藤さんが質問される時のトーンがすごく心地いいんです。変に浮きすぎてもいないし、とてもいい感じでこられて。実は回想シーンで犯人役としてもちらっと出てこられるんですよ。そういうちょっとコミカルな、視聴者の皆さんに楽しんでいただけるような活躍も期待しています。

――今回の撮影で楽しみにされていることはありますか?

撮影所の前においしい和菓子屋さんがありまして、6月は特に「水無月」という和菓子がよく出ていますが、私は6月生まれなのもあってとても好きで、週2回ぐらい食べてます(笑)。

7月3日(水)放送の初回2時間スペシャルでは、鈴木福も交番巡査・新開颯太役で登場(C)テレビ朝日


「ドラマを見て実際に科捜研に入られたという方もいらっしゃいました」


――「科捜研の女」は京都を舞台とした作品で、これまでも京都のさまざまな場所でロケをされてきたと思いますが、京都の“街ロケ”ならではのエピソードや、印象的だった撮影スポットの思い出があれば教えてください。

ありがたいことに、京都の街や大学や病院はとても撮影に協力的で、皆さん快く貸してくださるんです。印象に残る場所は、マリコの自宅という設定の建物の近くが八坂通りなんですが、そこから見る八坂の塔が日中でも、夜間は夜間でライトアップしてきれいですし、今シーズンの第1話でも自転車で疾走していますので楽しみにしていてください。

――本作は「科捜研」という機関を知らしめるとともに、イメージを大きく変えた作品と言えると思いますが、実際にそうしたお仕事をされている方や学生さんなどから「マリコさんのおかげで科捜研を目指しました!」といった反響の声を頂いたことはありますか?

ファンレターで「ドラマを見て科学捜査に興味を持ったので科捜研を目指しています」というお手紙を頂いたことがありますし、実際に入られたという方もいらっしゃいました。

あと、マリコはFBI出身なのですが、ご自分でお手紙を出してFBIのセミナーに参加されて、今年の4月からオーストラリアの大学で犯罪心理学を学びますという方にもお会いしました。ドラマを通して皆さんに夢や希望を与えることができて、本当に俳優冥利に尽きるなと思っています。

――ドラマの25周年にちなんで、沢口さんの25歳頃についてもお伺いしたいのですが、25歳、もしくは20代を振り返るとどのような日々でしたか?

目の前のお仕事をこなすだけで精いっぱいで、周りが見えていないで本当に無我夢中の毎日でした。ちょうど大河ドラマ「秀吉」(1996年、NHK総合ほか)の頃だったと思うんですが、秀吉を演じられていた竹中直人さんが、台本にはないすごく膨らませたお芝居を現場でされていたので、すごく刺激を受けました。破天荒な秀吉を演じていらしてとても刺激的でした。

――最後に、今シーズンの注目ポイントを含めて視聴者へメッセージをお願いします。

皆さまのおかげで「科捜研の女」は25周年という節目を迎えることができました。本当にありがとうございます。今シーズンは加藤諒さんが新レギュラーとして加わりまして、“分かりやすい最新の科学捜査”と“心温まる人間ドラマ”を皆さまにお届けしていきますので、どうぞ楽しみにしていてください。

榊マリコという役柄を通して、多くの人の人生にも影響を与えてきた沢口靖子撮影=永田正雄